テレビ局にはどんな仕事があるのか
テレビ番組を作る人になりたい。
そのためにはテレビ局に入らなくてはいけないんですよね?
とおっしゃる方、多くいらっしゃいます。
テレビ番組のディレクターやプロデューサーは
たくさんのモニターが壁一面に並んでいて、その手前にたくさんのスイッチやら調整機が並ぶテーブルがあって、そこに座ってる人、というのがイメージに近いのではないでしょうか?
今回はテレビ局にいる人がどんな風に働いていて
実際にテレビ局の中にどんな仕事があるのか、というお話をしてみたいと思います。
テレビ局員とは限らないディレクター
まずはテレビ局にいるディレクターについて。
映画だと2016年公開のジョディ・フォスター監督「マネーモンスター」のジュリア・ロバーツ演じる、主人公のディレクター、みたいなイメージがある人もいるでしょう。
スタジオのタレントやカメラマンや、スタジオの中にいるフロアディレクターに指示を出す人。
スタジオには、3台、4台のカメラがありますが、そのスイッチングの指示を出す人。
手振り大きく、それぞれのカメラが映し出す映像を一度に見て、次にどのカメラの映像を使うのか瞬時に判断していかなくてはなりません。
「はい、1カメ、寄って!次、4カメでロング行くからね! 4カメ、もっと引いて!はい!4カメ!」
スタジオの収録には多くの役割の人が同時に動いていますが、その総指揮がディレクターです。
その場の全員がディレクターの発する言葉を一言漏らさず聞き取ろうと、耳をそばだて、指示通りに動きます。
さてそのディレクターですが、テレビ局の局員かというとそうとも限りません。
たいていは、
- テレビ局の関連会社の社員だったり
- 制作会社の社員だったり
- フリーランスのディレクターだったり
さまざまです。
映画で見たようなあのテレビ局のディレクターの仕事をしてみたいと思って、難関を突破してテレビ局に入ったとしても、
思い描いたようなディレクターの仕事をやらせてもらえるかどうか、というと難しいかもしれません。
テレビのディレクターになるなら制作会社に入るのが一番現実的な方法です。
関連記事:テレビのディレクターになりたい人へ
制作会社は番組制作をすることが仕事ですがテレビ局の仕事はテレビ局を運営するのが仕事なので、仕事が番組制作の仕事だけではないんですね。
ではテレビ局のなかはどんな仕事があるんでしょう?
テレビ局の中の仕事
ということでテレビ局の中にどんなセクション(仕事)があるのか説明していきます。
テレビ局の局員さんは、だいたいですが1200人前後。
毎年5000人くらいの新卒さんが採用試験を受けますが採用されるのは、20人~30人くらい。
非常に高い倍率です。
関連記事:【就活】テレビ局の志望動機の書き方
さてテレビ局の仕事にどんなカテゴリーがあるのかというと
- 編成
- 営業
- 制作
- コンテンツ
- 総務、人事
- 技術
大きくわけると、こんな感じです。
細かく説明していきます。
①編成局
編成というのは、テレビ局ならではの仕事です。
テレビは、早朝から深夜まで放送しています。ほぼほぼ24時間。
何時から何時はニュースを入れる早朝のこの時間帯には情報番組をいれて、
平日のゴールデンタイムは、こういう特番をいれるとか、
新聞のテレビ・ラジオ欄(ラテ欄といいます)など、
あのオンエアのタイムスケジュールを決めていくのがテレビ局の編成の仕事です。
毎日放送されている夕方や夜のニュース番組が4月や10月の改編期になると、
番組の始まりの時間が1時間早くなったり5分早くなったり、微妙に変化することがあります。
また、番組と番組の間のCMをなるべく少なくしたり、21時ぴったりに始まるのではなくて20時58分から始めて他の局よりも少しでも早くスタートさせる、
など、いかに自局から他局に流れていかないかを工夫するのがここの仕事。
微妙な時間にテレビが始まって録画しづらい、という声もあるのですが、
区切りのいい時間よりちょっと早めに番組を始めるのも視聴率を高くする対策なのです。
関連記事:視聴率とCMの関係性
テレビを見ている人が、季節や時期やその時間に何を見たいのだろうかをよく考えて、
- この時間帯はこういう番組を見たいだろう
- こういう時期はこういう特番がいいんじゃないか
- この時期ならタレントはどういう人がいいのか
- どんなネタなら見てくれるのか
というのを緻密にくみ取っていくのが、編成局なんですね。
人々の視聴習慣や番組の好みは日々変化しています。
- トーク番組が人気のときもあれば
- クイズ番組が受けるときもあり
- 体験型番組が数字をとったり
- ゲーム番組が話題に上がったり
- 体験談をドラマ化するのがイケていたり
- ドロドロの家族ドラマが世間をざわつかせたり
人の気持ちの流れに沿った番組を探り当てるのがお仕事です。
最終的にテレビ番組の企画を決定したり、出演者や制作する会社やスタッフ、予算などを采配することもあります。
②営業
俗にいう営業と同じ仕事。
テレビ局に営業って必要なの?いったい何を売っているの?と不思議に思うかもしれません。
何を売るのかというと、放送枠を売っているのです。
関連記事:テレビの枠にはどんなものがあるのか
つまりCMを流す枠です。
この枠を買ってもらって、テレビ番組は制作されるのです。
テレビ局の営業の人たちは広告代理店(大手でいうと、電通、博報堂、東急エージェンシー、讀賣広告社、などなど)と協力して、
企業に、これから始まる番組はこういうのがあって、この枠でスポンサーを募集していますと、知ってもらい、購入してもらうのです。
最近ではテレビの放送枠だけではなくて、テレビ局の周辺で、夏休みや冬休みのシーズン、イベントが行われています。
イベントでの提供や協賛をとるのも、営業の仕事。
テレビ局の営業局にはどんな人がいるのかというと、
自由な服装でOKのテレビ業界ですが、営業局の方たちは企業にも出入りすることを考えてスーツの方が多いです。
また、ガタイのしっかりした声の大きな人が多いように思えます。
営業に入ると比較的長い期間移動しないイメージでしたが、最近は制作の現場を知っておいたほうがいいだろう、番組の特徴をきちんと自分の言葉で説明できたほうがいいだろう、ということで
営業から制作へ、制作から営業へ、とクロスさせることもあるようです。
30代の営業の方が「来月から朝の情報番組でADです!」と報告にいらっしゃって、大胆な配置換えだと思いました。
それまでADをやっていた20代の若者とチェンジするのだそうです。
どんな業界においても、作る人の集団である制作(製造)と売る人の集団である営業は仲が悪かったりします。
良いモノをたくさんの人に提供して生活をよりよくしていきたい、というミッションは同じにもかかわらず、作り手と売り手が仲が悪いと意思の疎通が図れず理解しあえない。
挙句の果てに足の引っ張り合いになりかねません。
売り手は作り手の思いを理解し、作り手は買い手がどんなものをほしがっているのかを知らないといいものは作れない。
お互いをお互いが理解して、買い手がほしい方向で、作り手は作っていかないと、そっぽを向かれてしまう。
そうならないために、作り手と売り手を理解しあえるよう、こうしたクロスが営業局で行われています。
③制作
テレビ業界で働いてるんだ、と友達から言われたら、イメージされるのはこの制作の仕事かと思います。
制作の仕事は細かく分けられています。
- 制作
- 報道
- 情報
- スポーツ
「制作」は、バラエティ番組やドラマ
「報道」は
- 政治
- 経済
- 社会
- 国際
と部門がわかれていますが、報道番組、ニュース番組を専門としています。
毎日必ず放送される番組があり、時間ごとに短いニュースが差し込まれています。
「情報」は朝や昼に放送されている生の情報番組や、特番、教養に関わる番組が多いようです。
どこの部門にしても、制作に配属されたら、テレビ局の局員であってもアシスタントディレクターからのスタートです。
なかなか名前で呼んでもらえず、「おい、そこのAD」「ADさん、これ、お願い」と呼ばれます。
一番駆け出しのADをやります。
ロケをどこにするのか、
ロケ地までの交通手段やその手配、宿泊先を決めて、予約したり、スケジュールを組んだり、タレントさんや技術スタッフに連絡。
旅番組だったら、旅先の情報を集めて、下調べ。
スタジオ収録だと、出演者さんの控室を割り振り、入り口に●●様と名札を用意。
テレビ局の玄関へ迎えに行き、控室まで案内する。
食事をまたぐ時間の収録なら、お弁当や軽食を準備したり、飲み物を買いに行ったりする。
制作会社から出向しているADさんと同じように動く。
自分がやりたい仕事はこういうことじゃない、とか、あんなに厳しい倍率を突破してテレビ局に入ったのに、こんなことをさせられて…とふてくされたくもなるかもしれません。
テレビ番組は、視聴者一人ひとりの顔を見ながら作るわけでないです。
見えない視聴者に向けて、こういう番組だと喜んでいただけるんじゃないか、と心の機微をくみ取っていかなくてはならない。
タレントさんや、スタッフの立場を慮ることができなければ、ディレクターやプロデューサーもできない。
どういうことをしたら、喜んでもらえるか、自分以外の他人のことを考えないと、できない。
タレントさんだと、どうやって、控室までいけばいいのか?誰に聞けばいいのか?分らないもの。
どうやったら、タレントさんが、迷うことなく、時間通りに、控え室に入ってくれるのかを考えなくてはいけません。
それは、演出するための、鍛錬。人のことを考えられない人は、演出家になれないのです。
関連記事:テレビADの仕事内容
④コンテンツ
コンテンツ、というのはテレビ局に最近できた部署です。
テレビ局によっては、もっと詳細にカテゴライズされているかと思いますがここではざっくりまとめてみました。
既存の形に収めず視聴者を世界中の人たちと見据えて、テレビ番組をフォーマット化して、パッケージで販売したり、購入したり、というのがコンテンツにカテゴライズされる仕事です。
例えば、フジテレビで放送していた、「料理の鉄人」はアメリカでも大人気なんですね。
みのもんたさんの決めセリフ「ファイナルアンサー?」で高視聴率だった「クイズ ミリオネア」はもともとはイギリスの人気番組で、その番組フォーマットを購入したもの。
日本テレビの「マネーの虎」は、フォーマット権が20か国以上のテレビ局に購入されたそうです。
また、放送された番組が海外の局に販売され、放送されるということもあります。
アニメが多いのですが、ドキュメンタリーやグルメ番組が販売されることもあります。
番組だけを販売するのではなくて、テレビでの放送とライブ、ネット、CSやゲーム、漫画などと連携するような、
それぞれの特徴を反映して、テレビにとどまらず、目にするあらゆるところに拡張していくような事業を目指しているようです。
その拡張部分をどれだけ広げていけるか、というのがこれからのテレビ局の課題なのかもしれません。
テレビ局の仕事は種類がたくさんある
テレビ局の仕事について詳しくお話してみましたがいかがだったでしょうか?
倍率の高いテレビ局ですが、みなさんが「テレビ局の仕事」として思い浮かべるような仕事とはかなり異なっている仕事もあるのがテレビ局の仕事だと思います。
もし一般的にイメージされやすい制作の仕事をしたくてテレビ局に入りたい、と思っているなら、番組制作会社に就職した方がやりたい仕事ができる可能性がぐっと上がります。
弊社ライズプランニングは番組制作会社ですので、もしテレビ番組を作りたい、と思っているならぜひ検討してみてください。
一緒にテレビ局でお仕事をできることを楽しみにしています。
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では今日はこのあたりで。



