「インターネットが普及することでテレビが見られなくなっている」
「最近は若者のテレビ離れが激しい」
という言葉がよく聞かれますが実際のところはどうなのでしょうか。
本当に今の若者はテレビを見ないのかについて、パソコンすらあまり使わない若者世代を中心に考えてみました。
若者はスマホのみ
今の時代は時代の変化が早いので、世代によってスマホやパソコン、タブレットなど端末の種類はかなり異なるといわれます。
同じ若者であっても10代と20代で違いがあり、10代はほとんどスマホ主流で
20代の後半になってくるとパソコンや、タブレットの利用者数も増えてくるという現状があります。
それはインターネットを何の端末で見るかによく表れており、
20代後半は比較的パソコンも使用しており、30代になるとiPadなどのタブレットの利用もあります。
ところが10代については70%以上がスマホのみ、つまりほとんどの人がスマホでのみインターネットを見ているということなんですね。
特にタブレットについては、レポート作成にすら使えないので、10代の若者の利用率は非常に低くなっています。
かつて家電量販店ではiPadなどのタブレットを大きく売り出していましたが、
2019年春の時点では売り場はどこにあるかわからない現状を見てもそれがよくわかると思います。
このように10代の若者たちはパソコンに慣れているかというと実はそうではないんですね。
「パソコンをあまり使ったことが無いのでそれが自分の弱点です」
と語っていた若い人もいました。
実はこのスマホしか持っていないという現状はテレビ見ることと密接な関係があるように思います。
ドラマなどのちょっと長い番組はやっぱり大きな画面で見たい、
でもスマホしかないからテレビで見るというわけです。
一方インターネットを見るにはスマホで十分なので、わざわざパソコンが欲しいとも思わないというわけです。
インターネットの殆どのサイトがスマホ仕様の画面に変わったということも影響しているでしょう。
スマホがあればネット上の殆どのものは見られるけど、大きい画面で見たいものはテレビでということではないかと思います。
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テレビとスマホを併用
では主に10代や20代前半の若者は何を見ているのかというと
多くの若者がテレビと答える実態があります。
弊社ライズプランニングには多くの学生さんが訪れるのですが、彼らに家で何をしているかと聞くと
殆どの若者が
「テレビはいつもついています」
と答えるのです。
それではなぜ最近テレビ離れが言われるのだろうということですが、
- YouTubeやネットテレビなど確かにテレビ以外の娯楽が増えた。
- 見ている番組が限られてきている
ということがあるのではないかと思います。
かつては家で見て楽しめる娯楽はテレビしかなかったといって良いと思いますが
今ではインターネットがあるので、他に見るものが確かに多くなっています。
では全くテレビを見ない人が増えているのかというと、実はそうでもありません。
これは若者がスマホしか持っていないということと実は関係していると思うのです。
スマホは便利なだけに、長時間ドラマや映画を見ることに使うというよりは
ちょこちょこと調べたり、Twitterを使ったり、ラインを見たりと、多機能を同時に使う便利な手段であって
- バラエティ番組を見たい
- トーク番組を見る
- ニュースをゆっくり見る
などといった大きな娯楽にはテレビを利用しているのです。
弊社に来る10代から20代前半の若者にテレビについて聞くと
テレビはうちにいるときはつけたままにしている人がほとんどで、そうでない人はごく少数です。
その少数の人はどういう人かというとゲームをやりたいからテレビはつけないという若者なんですね。
ただし「ながら見」というやり方で見ている人はとても多いです。
スマホを片手にテレビを見ているということですね。
全くテレビ離れをしてしまうのはゲームに夢中になっている人達ではないかと思うのです。
ゲームをやりながらテレビを見るのはさすがに難しいですから。
ではどんなふうにテレビとスマホを使い分けているのかと聞くと
「お店の紹介をしているようなテレビの時はすぐにスマホでチェックしたり、食べログ、Twitterで見て今度行こうと思ったりします」
「トーク番組はだいたいテレビに集中するけど、時々Twitterで他の人が何か言ってるのを見ます」
というように、スマホ片手に番組を楽しんでいる様子がよくわかります。
最近はテレビのコーナーで次に行く場所をTwitterで募集したりするので、番組の方もTwitterと連携させた企画がずいぶん増えてきていますよね。
しかしながら、よくよく聞くと10代、20代の若者が見ている番組は実は非常に限られていることも感じます。
テレビはずっとつけていても、じゃあどの番組が好き?と聞くとほぼ全員が似たような答えをするんですね。
- アメトーク
- マツコの知らない世界
- 世界の果てまでイッテQ!
とくに上の二つは好きな番組でほぼ全員が言う番組です。
少し前までは
「しゃべくり007」「水曜日のダウンタウン」「ヒルナンデス!」も良く出てきていましたが最近はちょっと言われなくなりました。
逆に
「月曜から夜更かし」
が好きと言う人が急に増えてきたので、マツコさんの人気はすごいと身近に感じています。
ながら見でずっとテレビをつけていても若者が見ている番組は実はかなり限られているんだなという気がしています。
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テレビをどう考えているのか
では実際のところ若者たちはテレビのことをどんなふうに考えているのか、特にニュースや情報番組について聞いてみました。
これは大学生数十人に聞いた結果です。
いろんな答えが出てくるかと思ったのですが、実はほぼ似たような答えが返ってきたことにちょっと驚いています。
それは何かというと
「SNSなどのネットは誰が言っているのかわからない、テレビはいろいろ言われているけどマシだと思う」
というなんとも微妙な答えが多いのが興味深いところでした。
思ったより冷静な考え方だともいえますし、意外にネット情報もそれほど信頼していないのかなという感じもします。
中には
「テレビのニュースはちょっと違うなと思うことや、重要なことを言っていないと感じるときもある、もっと重要なことも発信していきたい」
という頼もしい学生もいましたね。
テレビはまだまだ娯楽や情報源として重要視されているというのが率直な感想です。
ただテレビをずっとつけているとしても見ている番組、興味を持っている番組が非常に限られていることを見ると
今後の課題も多いと感じます。
現場のあるディレクターは、
「テレビを誰がよく見ているかというのを数字で見ると圧倒的に高齢者が多いので、すぐに視聴率を上げようとすると、どうしても高齢者向けの企画になりがちになるんです。だけどそれはどうなのかと思う」
と言ってジレンマを感じていました。
テレビ局にとって視聴率は死活問題ですからすぐに視聴率を上げたいというのは非常によくわかりますが、
テレビには根強い若者ファンが実は大勢いることを考えると、今後のテレビ番組あり方はまだまだ改善と開拓余地があるのだなと感じるのです。
一方でテレビの現場も徐々に世代が後退しつつあります。
これからテレビを担っていく若者世代は
Twitterを見ながらテレビを見る世代の心をどうやってつかむ番組を作っていくのか、
とても楽しみな気もします。
「似たような企画はAIができる、だから自分はゼロから生み出すテレビ番組を作りたい」
と語る人もいました。
今後の新しいテレビの展開を期待したいですね。
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