自己PRが上手く書けずに、ネットや就活本を参考にしていませんか?自分の良さや個性がない、と悩んでいませんか?
だれだって、長所も個性もあります。それを見つけられていないだけ。
テレビ業界を目指しているなら、どんなことを書けば目にとめてもらえるのでしょうか?今回は、こんな経験をしているなら、そこから分析してみてほしいことを書き出してみます。
- いろいろな場所に行っている
- 年齢の離れた人、文化の違う人との接点が多い
- 面倒くさい役割を引き受けている
- 幅広い分野の本や映画を見ている
- 何かの記録を続けている(日記でもいい)
- 特定の分野を研究している、深掘りしている、子どものころから好きで続けていることがある。
- 新しいゲームや遊びをつくって楽しむ
- 大学の授業は単位を取りやすいからではなく、学びたいこと知りたいことで選んだ
- 書くことが好き
- 半年くらいかけて何かを作ったことがある
こうした経験は、どんな能力を秘めているのでしょうか。また番組制作にどう関わるのでしょうか。
見出し
①いろいろな場所に行っている
自宅と学校とバイト先だけの人よりも、訪れた場所が多い人のほうが、経験が多いと思われます。その場所へ行くための手段やお金など手間もかかっています。
その手間をかけてまで、そこへ行きたいと思わせる目的もあったはず。
その場所へ行った、という経験は、そこへ向かわせるきっかけをつかんで、実際に行ってみないと気が済まないという好奇心の強さを感じさせます。
テレビ番組は視聴者の好奇心を刺激するもの。制作者自身に好奇心がないと面白さに欠けてしまいます。
これに当てはまる人の能力は、好奇心が強い、フットワークが軽い、行動力がある、実行力がある、など。
②年齢の離れた人、文化の違う人との接点が多い
例えば、ボランティア活動で小学生から70代くらいの人と一緒に活動していた、とか、様々な国籍の人が参加するイベントで交流した、という経験は大きなものがあります。
大学生とは違う世代のひとたち、日本人や日本語を話す人たちとは違う文化と接することで、自分との違い、ギャップを感じ取り、相手に合った言葉を選び、コミュニケーションをとったということ。
こういう経験をした人の能力は、順応力がある、対応力がある、どんな人とも仲良くなれる、世代や文化の違う人たちとコミュニケーションできる。
③面倒くさい役割を引き受けた
みんなが面倒がって、誰もやりたがらないようなことをやった経験はありませんか?
例えば、サークルのリーダーが『今年は創立20周年だから、記念のパーティーをやろう』と言い出したら、そのために率先して実行した経験。
先輩の居所をたどって連絡をする、出欠をとる、場所をとる、式次第をつくる、記念品を手配する、備品を揃える…など。
つまり、幹事を引き受けたことがあれば、アピールできます。
面白い番組は思いつきだけではできません。突飛なアイデアであっても、それを放送できるかどうかは、面倒なやりとりを粘り強くやる人がいないと実現できないのです。
能力でいうと、実行力、計画性がある、管理能力がある、世話好き、協調性がある、交渉力がある、説得力がある、問題解決力がある、責任感がある、コミュニケーション能力がある、人を巻き込む力がある、など。
幹事には、たくさんの能力を使っていることがわかります。これから、就活を迎える学生さんのなかで、ESに書ける体験がほしいと思っているなら、一度幹事を引き受けてみましょう。限られた期間で、成長できる体験になります。
ADの「仕込み」と言われる仕事も実は幹事の仕事に近いです。
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④幅広い分野の本を読んだり、映画を見ている
ランキングに出てくる小説や受賞作、話題の映画だけではなく、歴史小説や古典、ドキュメンタリーや古い映画、海外作品など、時代やジャンルをこえて見ている読んでいるなら、さまざまな場所へ行っている、文化と触れ合っているともいえるかもしれません。
これだけの作品に触れていれば、気づいたり感じたりしたことがあるはず。
読書や映画鑑賞と一言で書かずに、どんな作品に触れて自分はどう感じたか、どう変わったか、なども書いておくことで、単なる趣味ではないんだな、思考する力がありそうだと思ってくれるはずです。
思考力がある、想像力がある、分析力がある、知識教養がある、語彙力がある、粘り強い人。
⑤何かの記録を続けている
本を読んだり映画を見たら、その記録を毎回つけている人はさらにいいですよね。
読書や映画鑑賞はインプットにとどまりますが、記録としてアウトプットしておくことで、読んだもの見たものが自分の中に蓄積されていると想像できます。
書くという行為はいったん、自分のなかに入れたものを考えて、まとめ、表現することへつながっています。どんなに面白い企画を思いついたとしても、それを誰かに伝えたときに、相手が面白いと感じてくれない、思ったような反応をしてくれない場合があります。
それは、言葉が足りない、ぴったりくる言葉が選べていない、文章の構成力が弱い、などのためです。普段から書いていなければ、人に伝わる文章は書けないのです。
思考力がある、理解力がある、表現力がある、伝達力がある。
noteなんかは簡単にテキストのアウトプットができますから、定期的に書いてみてもいいかもしれません。
⑥特定の分野を研究している、深掘りしている、
子どものころから好きで続けていることがある。
今までのは、広い知見をもっていそうな人たちでした。
これは、一つのことに突き抜けている人です。一つのことを観察していたり、ずっと続けていることはありませんか。
その分野しか適応できないのでは?マニアやオタクだと思われるのでは?と心配かもしれませんが、得意分野があるほうが関心をもたれます。
マニアックな分野だから、誰も興味なんてないのでは?と卑下されるかもしれませんが、そんなことはありません。
研究している人たち、マニアの人たちの話は面白いのです。
テレビ番組も違う分野のふたりを交わらせるトーク番組がありますし、書籍や対談イベントでもあります。異分野の人たちが交わることで、新たな視点が見つかったり、自身の課題に気づいたり、改良点がわかったりすることがあります。
探求心がある、推察力がある、持久力がある、集中力がある、想像力があるなど
⑦ゲームや遊びを新しくつくったり、工夫して楽しむ
こんなことを自己PRに書いてもいいもの?と思われるかもしれません。が、こうした遊び心は番組制作に必要な能力ともいえます。
テレビ番組は、今までにある要素をかけ合わせたり、ずらしたりしてつくられているのです。
同じ店が何度も取り上げられたり、同じタレントがほかの番組に出ていても、視聴者はそれほど気にしないものです。なぜなら、作り手が変われば、見せ方が変わるからです。
今まであるフォーマットに、何かを足して、あるいは差し替えて新しいものにするというアレンジすることもあります。
また、テレビ番組制作は、「撮影はNG」「この表現はNG」が多く制約だらけ。撮影できないなら、代わりにどうするのか、代替え案を出さねばなりません。足りないものを補ったり、別のものに差し替えたり、とその場での対応力も求められます。
人を楽しませる、既存のものをアレンジする能力、企画力、発想力、足りないものをアイデアで補える、対応力、問題解決力、などがあるかもしれません。
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⑧大学の授業は単位を取りやすいからではなく、
学びたいこと知りたいことで選んだ
大学の勉強でいっぱいいっぱいで、学校以外の体験が少ない。ひとよりも経験が少ない、書くべきことがない、と諦めずとも、大学生の本来やるべきことは、大学で専門的な学びをすることにあります。
大学でしか学べない授業がたくさんあったはず。それはほかで知見を広めたり、ひとつのことを深堀したのと同じです。大学で学んだこと得たことを自信をもって書いてもいいのです。
好奇心がある、専門知識がある、知識を深めることが好き、調査力がある、思考力がある、想像力がある、思慮深い、考えることが好き、など
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⑨書くことが好き
書くことが好きというのは、記録をしている、とは似ているけど、ちょっと違う点があります。
書くという行為は、読む人を設定して書かれている場合が多いのです。それを公表していなくても、誰かに読んでもらおうと意識されています。読み手を意識することで、どんな言葉を使うのか、どんな表現にするのか選んでいます。
テレビ制作の仕事は、撮影しないディレクター、編集したことがないディレクターはいても、書かないディレクターはいません。
制作の仕事は、書く仕事が占めています。書くのが苦手な人は、早めにつまづいてしまう可能性がありますが、書くのが好きな人や書くことに負担を感じない人はつまづく回数が少ないのです。
想像力がある、語彙力がある、表現力がある、分析力がある。
⑩半年くらいかけて何かを作ったことがある
DIYでも、絵画でも、庭造りでも、舞台演劇でも、小説の執筆でもかまいません。長期間かけて何かひとつの作品を作ったことがあるなら、それも貴重な経験であり、長所です。
作品を完成させただけではなく、得意になった技能もあるはず。身に着いたことがあればそれもアピールしましょう。
ひとつのことをやり続けるのは、粘り強さや集中力があるということです。創造力がある、長い期間続けることで、問題が起きたり失敗もあったりしたかもしれません。それを乗り越えて完成させたなら、課題発見力がある、実行力もあるかもしれません。
10個あげてみましたが、なにか引っかかることがあるのではないでしょうか。いずれも、特別なものではありません。
一つでも当てはまるものがあれば、そこから広げて、志望動機と繋げて書いてみましょう。
テレビ制作は特別な経験や能力が必要、というものではありません。
なんでもできる人が求められているわけでもないのです。
会社が人を採用する基準は、この人と一緒に仕事がしたい、応援したい、育てたい、と思えるかどうかです。上記のなかで何かがあれば、きっとそう思ってくれるでしょう。
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