今回はテレビ局や大手のテレビ番組制作会社へ就活している方たちへ、
特に制作を仕事にしたい方たち、将来ディレクターやプロデューサーになりたい、という方たちにエントリーシートの書き方を解説していきます。
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エントリーシートはサンプル通りに書かないこと
ネット検索すれば、エントリーシートのサンプルはいくらでも出てきます。
検索すればするほどどう書いていいかわからなくなったり、学生時代にそれほど功績を残しておらず、何を書いていいかわからない、と不安になっている人も多いことでしょう。
サンプルを見るほどに「そのように書かなくてはならないんじゃないか」と思い込んでしまいます。
サンプルが正解でそれに自分を当てはめようと考えてしまいますが、それでは選考に通りません。
「なぜエントリーシートが必要なのか」を考えてみれば瞭然です。
エントリーシートは「あなたがどんな人なのか」を知るためのものです。
「あなた」という個性が見えないと選考に残りません。
一緒に働けるか?を見られている
エントリーシートって本当に見ているのでしょうか?
「まず学歴でフィルタリングされているのでは?」と質問をいただきます。
ここ数年のテレビ局に採用された方たちの学歴をみますと、かつての偏りは見られません。
大学はそれほど重視されていないように思います。
エントリーシートを見ているのは社員の方たちです。
エントリーシートのどこを見ているかは、会社の方針があったり、個人の感性や考えもあるでしょうが、
そつのない優秀そうな人よりは、一緒に働ける人、これからの世の中を面白くしてくれる人、という観点があるのではないかと思います。
番組制作は特別な技能が必要では?映像やマスコミについて学んできた人が有利では?と思われるでしょうが、そうした技能や知識が問われることはありません。
誰にでもチャンスがあると言えます。
関連記事:テレビ業界に就職するのに学歴はどれくらい関係してくるのか?
どんなことが書かれているとエントリーシートが通る?
じゃあ制作っていう仕事はどういうことをするのかというと、
「今、世の中にはこういう番組が必要だろう、求めているだろう」と察知して、企画を立てて、その番組を制作できる人たちとチームになって映像を制作し、提供することです。
- 察知する力
- 企画する力
- 組織をまとめる力
- 制作をやり通す力
が必要です。
最低限これらのうち、自分にはどんな力があるのかを感じてもらえるように書くことです。
自分がやってきたことをただ書き連ねていっては、選考者があなたの能力をキャッチし損なうかもしれません。
選考者が一人にかける時間は2〜3分程度。
たったそのくらいの時間しか割いてないの?と思われるかもしれませんが、選考者は限られた時間で相当数のエントリーシートに目を通しますから、そのくらいだと思われます。
その程度の時間でわかるの?と思われるかもしれません。
サンプルを参考にしたエントリーシートですと引っかかりがありませんから、そのままスルーされてしまいます。
逆に引っかかりがあると、そこから広げて見ていくので読んでもらえます。
もちろん上記の4つ以外でも、あなたが自信がある能力を存分に書けばいいのです。
例えば
- 集中力がある
- 統率力がある
- 臨機応変に動ける
- 人を集めることができる
- 発信力がある
- 表現力がある
- 交渉力がある
- 語学に長けている
などなど。
いずれも制作人として必要な能力です。
あれもこれもと盛りだくさんにするよりも、アピールしたい能力を際立たせるように書いていくと印象に残るはずです。
「自分はこんな能力がある。」をテーマ(骨組み)にして、エントリーシートの質問事項に沿って肉付けしていくイメージで書いていきましょう。
このときに要注意なことがあります。
「コミュニケーション能力が高い」という一言。
そう書く人がものすごく多いです。
この言葉は非常に耳あたりのいい言葉ですが、実態が捉えづらいものでもあります。
この一言を使うと競争率が上がると覚悟したほうがいいでしょう。
特筆するべきエピソードをもっていない場合
弊社ライズプランニングも多くの学生さんを面接します。
履歴書を拝見しますと面白味のない履歴書もあります。
事実がたんたんと書かれているようなもので魅力がありません。
面接ではこちらから「学生さんのことをもっと知ろう」と思っていろいろな質問をたてます。
そうすると学生さんから面白いエピソードや、興味のあること、やってきたことをイキイキと話してくれます。
実は誰にだって特別なエピソードがあるのです。
コンテストや大会で入賞したり、いい成績を修めたり、部長やキャプテンしたことだけが特別ではないのです。
- やったことがないことにチャレンジしてみたこと
- 体調管理が完璧で遅刻や欠席をしたことがないこと
- 友人や家族へのサプライズを仕掛けるのが好きで、毎年演出を凝らしていること
- 気になることは、実際に見に行かないと気が済まないこと
- 小さいころから続けていることがあること
そんなことであっても、書きようによっては、人を惹きつけるエピソードになるのです。
大学にはキャリアセンターなど就活のプロがいるはずです。
そうしたひとと模擬面接をしてもらうことで、自分のよさを再認識できるかもしれません。
また、企業のインターンでは企業からフィードバックがあったり、対話の時間を設けているところもありますから、そういう機会を利用してもいいと思います。
大手のテレビ局や大手制作会社では、選考者が丁寧に聞き取ってはくれません。
短い時間のなかで自分をアピールせねばなりません。
自分の良さ、個性がストレートに伝わるメッセージがないと相手には伝わりません。
自分で見つけることができないのなら、周りの人に協力してもらって徹底的に聞き出してもらいましょう。
テレビを見ていないのに受けるのはアリ?
弊社ライズプランニングのスタッフに、「テレビは見ていない」という人がいました。
じゃあ何を見てるの?って聞くと、「TVer(ティーバー)とか、Huluを見ている」とのこと。
どんな映像を見ているのかさらに質問しますと、あるドラマのタイトルをあげました。
テレビを見なくなった、とも言われていますがそれは正確ではありません。
テレビという受信機つきのモニターで見なくなった、ということであって、テレビ番組は見ているのです。
あなたが見ている映像を確認してみましょう。
あなたがテレビ業界に関心をもっているなら、テレビは持っていなくても見ているはずです。
実際に見ていないなら、わざわざ履歴書や面接で「テレビを見ていない」とアピールすることはありません。
「見ていない」というのはネガティブなイメージを与えます。
そこからどれだけ昇華させていくか計算があればいいのですが、ほとんどの人は「見ていないけれどいいですか?」どまりです。
相手におもねるのではなく、見ていないけれどこうだ、と自分の意図をきちんと伝えるようにしてください。
今は事情があって見てないにしても、何かしらのテレビへの興味があるからこそテレビ業界への就活を志したのでしょうからね。
関連記事:芸能人に会いたいからテレビ関係の仕事を目指す人も多い。
入社できたら何をしたいのかが書けない
「自分がディレクターになりたいのか、プロデューサーになりたいのか、エントリーシートに書く欄があったのだが、何と書けばいいのかわからない」というご質問がありました。
両方の仕事ははっきりとした区分けができているところもあるし、どっちの仕事とも割り振れない部分もあります。
ここは明白でなくてもいいと思いますし、ディレクターとプロデューサーの仕事がごちゃまぜになっていても構わないと思います。
なぜディレクターになりたいのか、プロデューサーになりたいのか、をわからないなりに、推察して書いてみることです。
学生の段階でディレクターになりたい、プロデューサーになりたい、と言っても、そもそも仕事内容もはっきり認識できてないでしょうし、資格があるわけではないのでやりたいと思って就ける仕事ではありません。
この時点て思い違いであってもさほど痛手にはなりません。
ディレクターとプロデューサーはどんな仕事なのか、簡単に書きますと、
ディレクターは、映像を撮り、編集する仕事です。
企画や構成に沿って、映像で表現していくのが仕事です。
プロデューサーは、映像に必要な要素を揃えるのが仕事です。
番組制作するには、チームを構成しなくてはなりません。
- ディレクター
- カメラマン
- 構成作家
- 編集マン
- 出演者
もろもろ。
その土台をつくるのがプロデューサーの役割です。チームを作るのが仕事とも言えます。
テレビ局や大手の制作会社で求められているプロデューサーは、オンエアされたら終わりではなく、どうやったら展開していけるか、という発想が求められるでしょう。
広い視野で考えることができる人が求められています。
関連記事:ディレクターになるかプロデューサーになるか、テレビ業界での進路
弊社ライズプランニングでは、インターンを随時開催しています。
テレビのことだけではなく仕事というものに向き合える内容になっており「自分の進路が見えてきた」「不安が晴れた」と感想をいただいています。