電源を入れればいつでも何かしら番組をやっているのがテレビ。
面白くなければザッピング(リモコンでチャンネルを切り替えながらみること)して何か面白そうな番組を探す人は多いとおもいます。
または新聞のテレビ欄や、インターネットの番組表でどんな番組をやっているか見て選ぶ人もいるでしょう。
インターネットにつながっているテレビもあるのでテレビから番組表を見ることができるタイプも今はありますよね。
では全国のテレビの番組表はどうなっているのでしょうか。
番組表が全国一律ではないことはおそらくご存知の方が多いと思いますが、
中にはチャンネルこそ違っても全国で同じテレビ番組が流れている、と思っている人が意外に多いのではないでしょうか。
東京と北海道の番組表を比較
実際にはどうかというと、同じ時間に同じ番組が流れている時間帯は実はそんなに多くないのです。
では地域が違うと番組表はどれくらい違うのでしょうか。
今回はそれを比較してみました。
そもそもテレビ局の中には系列局というものがあります。
系列局というのはネットワークを組んでいるテレビ局のことです。
テレビ局のネットワーク系列は大きく5つあり、
- 日本テレビ系列
- テレビ朝日系列
- TBS系列
- フジテレビ系列
- テレビ東京系列
です。
全国の民放局はこの5つの系列のどれかに属しています。
(ただし、独立局をのぞきます)
これらのテレビ局の系列を超えて同じ番組が同時に流れることは例外を除いてありません。
例えば、東京にはテレビ朝日があり、チャンネルは「5」ですが、同じ系列の北海道のテレビ局といえば北海道テレビになります。
北海道テレビのチャンネルは「6」です。
ある平日の一日をとって番組表を比較してみると、同じ番組が流れているのは以下のような感じです。
4:55 | グッドモーニング(6:00まで) |
8:00 | モーニングショー(9:55まで) |
12:00 | 徹子の部屋 |
12:30 | ワイドスクランブル |
13:45 | 上沼恵美子のおしゃべりクッキング(14:00まで) |
19:00 | あいつ今なにしてる? |
21:00 | ドラマ 相棒 |
22:00 | 報道ステーション |
23:15 | マツコ&有吉の怒り新党 |
と、こんな具合でした。
ちなみにですが、
東京ではグッドモーニングは朝4:55から8:00まで実に3時間以上やっていますが、北海道ではそのうち1時間ほどだけが流れています。
また、ワイドスクランブルも東京では10:25分から始まり、徹子の部屋を間に入れて、
13:45分までの約3時間やっていますが、北海道では12:30からの約1時間ほどになっているんですね。
夜は比較的長く同じ番組をやっているように見えますが、それぞれの番組の間の約5分のところには東京と北海道では別々の番組が放送されているのです。
例えばですが、23:15分から東京では「世界の車窓から」という番組が月曜から金曜まで毎日放送されています、関東に住んでいらっしゃる方はご存知の方が多い番組だと思います。
でも、実は北海道では流れておらず、この時間はHTBニュースが放送されている、など番組表の細かいところが異なっているのです。
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ネットワークセールスという時間枠
実はもっと細かく言うと東京と地方で同じ番組が流れている時間帯の中で、ネットワークセールス(ネット)と呼ばれる特別な枠があります。
見ている人からは何の違いもありませんが、全国CMをやりたい企業がCMを打つことができるのはこのネットワークセールスという特別な枠だけなのです。
東京と地方とで同じ番組が流れている時間には
- ネットワークセールス枠
- ネットワークセールスじゃない枠
の2種類があるんですね。
これは、地方限定のCMよりも全国CMの値段が高くなる要因の一つとも言えるでしょう。
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東京のテレビ局と地方のテレビ局の関係
さて、同じ系列のテレビ局はこのように同じ番組を放送しているので、
東京のキー局と呼ばれる5つのテレビ局が親会社で、地方の系列局が子会社、または支社だと勘違いする人もいます。
しかし、資本が入っていることはありますが、地方のテレビ局が東京のテレビ局の完全子会社ということはありませんし、
連結決算をしていることもなく、実際には全く別の会社として存在しています。
テレビの歴史の中では今とは別のテレビ局と系列を結んでいたということもあるくらいなのです。
東京のテレビ局と地方のテレビ局は近い存在ではありますが、これからテレビのインターネットネット配信が始まれば、またお互いの存在価値、繋がり方は少し変わってくるかもしれません。
テレビ局というのは国の許可事業で、各テレビ局の放送エリアは決められています。(番組編成は自由ですが)
東京のキー局5局(日本テレビ、TBS、テレビ朝日、フジテレビ、テレビ東京)も放送エリアは関東一円と決まっているんですね。
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全国放送がある理由
ではなぜ全国放送というのがあるのかというと、もともとは全国に広告を打ちたい大企業の要望に応えるためだったとも言われています。
言われてみれば確かにそうでしょう。
というのも、東京のテレビ局は茨城や群馬も含む関東全体が放送エリアです。
また大阪のテレビ局は兵庫、京都、滋賀などを含むエリア、また名古屋のテレビ局は岐阜・三重などを含みます。
これらの大きなテレビ局は比較的放送できるエリアが広いのですが、
それ以外の地域はどうかというと、ほぼ1つの県ごとにテレビ局がありますからエリアはほぼ1県となります。
つまり全国にCMを打ちたい時に、全国ネット番組というものがもし無いとすると、全国の各テレビ局、全てに依頼しなければならないことになります。
それはかなり面倒な作業であることは想像できると思います。
そのため全国に放送されるネットワーク番組というのが必要になったのでしょう。
このようにテレビの番組表だけ見てもとても複雑であることがわかります。
ネットワークに所属する地方のテレビ局は全国ネットの番組があるので、番組編成に制限があるのは仕方ないことになります。
この制限を受けないのは独立U局と呼ばれるものです。
テレビCMの世界が外から見て分かり難い理由はいろいろあると思いますがこのあたりも一つの理由かもしれません。
関連記事:独立U局と民放系列局の違い
テレビの仕組みは独特で面白いんですよね
東京のテレビ局で放送されているテレビ番組と地方のテレビ局で放送されているテレビ番組を番組表の観点から比較してみました。
テレビ番組も同じものを放送しているわけではありませんが、
同じものを尺を変えて放送しているものもあれば、全国ネットワークで流れるCMもあります。
なかなか複雑で難しいですが、これからテレビのインターネット配信の風潮がより高まっていくことによってさらにテレビ局同士の関係も変わっていくでしょう。
関連記事:CMは一本いくらで作れるのか
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では今日はこのあたりで。