プロダクトプレイスメントとは広告手法の一つです。
映画やテレビドラマの劇中において、役者の小道具や背景として実在する企業名・商品名を表示させる手法のことで、
例えば人気ドラマなんかは
〇〇役のあの人がつけていたアクセサリーが可愛い!
と話題になり、そのアクセサリーが飛ぶように売れる、なんていうことがあります。
今回はこのプロダクトプレイスメントについて解説してみたいと思います。
プロダクトプレイスメントの歴史
プロダクトプレイスメントの誕生は1955年公開のハリウッド映画『理由なき反抗』と言われており、
劇中でジェームズ・ディーンがポケットから櫛を取り出して髪を整えるシーンが何度も出てくるのですが、これを観た当時のアメリカの若者たちから「ディーンが使っていたのと同じ櫛はどこで買えるのか?」とワーナー・ブラザース(映画会社)に問い合わせが殺到したそうです。
これが新しい広告手法として使えると感じた映画会社が一般企業との劇中広告でのタイアップを始め、これがプロダクトプレイスメントと呼ばれるようになり一般化しました。
アメリカではプロダクトプレイスメント専門の代理店も数多く存在するほどで、
映画では数億円、数十億円単位で金額が動くこともあります。
劇中の各シーンに実在する店舗や商標が出ることに大金が動くことで、
映画スタジオにとってのもう一つのリスクヘッジとされています。
日本では1953年から1960年代までの『ゴジラシリーズ』を始めとした東方怪獣映画は、森永ミルクキャラメル(森永製菓)やバャリースオレンヂといった商品名の看板が必ず使われていて、作品スポンサーさでの広告手法の一環でもありました。
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テレビ番組内のプロダクトプレイスメント
テレビドラマではこのプロダクトプレイスメントがよく使われています。
例えば、旅がテーマのドラマの場合は、ロケに使われたホテルなどとタイアップできると、
入り口や看板などの名称が大きく映されることになります。
さらにロケ地の地名がテロップ表示されることもあります。
逆に、重い犯罪ドラマなどではネガティブキャンペーンになることを懸念して、タイアップNGになることもあります。
また、日本の連続ドラマでは特に1970年代〜1990年代前半までの刑事ドラマ、トレンディドラマにおけるアパレル産業、自動車メーカーなどのタイアップが代表例として挙げられます。
多くの作品でカーチェイスシーンがあったのもあり、スポンサーである自動車メーカーが劇用車として操作用車両(パトカー)を提供していました。
2000年放送の『世にも奇妙な物語』「バーゲンハンター」の劇中には、人気商品という設定で金と銀色に染められたコトブキヤ製「壮絶合金ガオファイガー」(同年のOVA『勇者王ガオガイガーFINAL』)が登場する、といったこともありました。
このように、子供向けのフィギュアが登場することもあります。
アニメの中のプロダクトプレイスメント
プロダクトプレイスメントと言うと、実際の商品や店舗名などが登場するものなので、実写作品を思い浮かべる方が多いと思います。
ですが、実はアニメの中でもプロダクトプレイスメントは多く使われています。
例えば国民的アニメの『サザエさん』は1999年3月まで東芝の一社提供で作られていました。
昔はテレビ番組のほとんどが生放送で放送されていたのもあり、一社提供で作られることも珍しくはなかったのですが、
1999年まで一社提供だったというのはかなり稀なケースです。
サザエさんのオープニングの市街地シーンにはほぼ必ず東芝(TOSHIBA)の看板が掲げられていましたし、
本編の磯野家の冷蔵庫などの家電にも、東芝のロゴが描かれていました。
さらに、磯野家の炊飯器はガス炊飯器であったので、電気炊飯器に買い換えるパートがあるお話も作られています。(東芝が電機メーカーであるため)
サザエさんだけでなく、作中で既存の商品やサービス、店舗名などが登場することはしばしばあります。
プロダクトプレイスメントの効果
例えば、役者さんが身につけるようなアイテムであれば、
「あの女優さんが着ていた服は、どこのブランドだろう?」と検索されて購買へと繋がることが多いです。
ただし、室内を飾る商品の場合、家具家電などは購買に結びついても、建物の壁紙やガラスなどの材料といったものは購入に結びつくのは難しいです。
ですが、企業さまの方で、営業時に「このドラマでも使われています」というような説明をすることはできますし、撮影協力などで企業名も掲載されますので、認知度をあげるなどの効果は見込めるかと思います。
商品やサービス、企業名などの認知度を上げるための方法は色々なものがあります。
ご予算や目的に合わせてプランをご提案させていただきますので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
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