たまたまテレビを見たときに、取り上げられていた流行が、
「それってもう、流行終わってるよ!」
「今更、それ、取り上げるの?」
と感じたことはありませんか?
自分が感じている流行のピークに比べて、テレビが遅い、という現象があります。
なぜ、テレビは遅いのか?を考察してみましょう。
見出し
番組のターゲット層に自分がはまっているかどうか?
テレビ番組は、番組ごとに視聴ターゲットを明確に決めています。
視聴ターゲットとは、年齢や性別の属性です。
50代男性をターゲットにした番組をたまたま見た、としたら、そこに出ている情報は50代男性に向けたもの。
もし、あなたが大学生だとしたら、その情報は特にほしいものではなかったかもしれません。
自分が放送番組の視聴ターゲットに当てはまっていないから、番組の内容にもズレを感じる、ということがあります。
流行している、といえる根拠はなんだろう?
テレビで取り上げる情報は、その根拠は何か?を客観的に説明できなくてはなりません。
それはナレーションの一言であっても、そうなのです。
「これが、今、流行っています」というナレーションがついているなら、本当に流行している根拠はナニなのか?が必要なのです。
例えば、
- 1日に1000個売れている。
- そのメニューを目当てに、行列が途絶えない。
- それを目当てに、開店前から並んで待っている人がいる。
- その店を訪れるために全国から人がやってくる。
などがあれば、それが流行っているんだな、と認識されるでしょう。
で、こうした根拠があるなら、その根拠を映した映像が必要なのです。テレビですから。
しかも、継続してないといけません。
撮影に行ったその日が”たまたま”売り切れた。行列が途絶えなかった。ではダメなのです。
いつもその店を利用しているお客さんが、いつ行ってもお目当ての商品が買えたり、行列に並んだことがなかったら?
もし、テレビで売り切れてなかなか買えない、行列がいつもできている、と放送されていたら、疑問に思うでしょう。
逆に、撮影に行ったその日が”たまたま”売り切れなかった。行列がなかった。もダメなのです。
それって本当に流行なのか?と思われるかもしれませんよね。
客観的に「流行」している現象が、ある程度の期間、継続されていないと「流行している」と言えないのです。
そもそもテレビ番組を制作するのに時間がかかる
そもそもテレビ番組をつくるのには、時間を要します。
新鮮な情報が売りの情報番組だと、ロケから放送まで2,3日といったところですが、
企画の立ち上がりからロケまでは1週間から10日ほどかかることがあります。
その間はリサーチをして、店を選定したり撮影交渉したり、タレントをブッキングしたり、にあてられます。
また、その商品や店が食品衛生や運営管理が守られているかどうか、などの確認もせねばなりません。
制作スタッフの目にとまるのは、放送よりも2週間ほど遡るわけですから、その時点が流行のピークだとすると、放送の時点ではピークアウトを迎えている可能性があります。
関連記事:テレビADのロケハンチェックリスト!バラエティ番組のグルメ企画編
なぜ、流行している?の背景も解説しなくてはならない
テレビ番組では、流行している現象だけを取り上げることはありません。
それが流行している背景を解説したい。
流行している現象は突然起こります。
たいていの場合は、SNSで情報が拡散していいくのに比例して起こるのですが。
それがどういうきっかけで誕生したのか、時代背景の何とマッチしたのか、など深く掘り下げることが必要なのです。
単なる一時的なことではなく、なぜ流行になっているのか、の背景や意義を制作者は理解しておく必要があります。
背景や意義を理解した上で制作に挑むと、そういうシーンやコメントを撮影することができるのです。
関連記事:テレビ番組の企画は誰が出して、どうやって決まるの?
流行の現象だけを追いかけないのがテレビ
これ、おいしそう!おもしろそう!やってみたい!食べてみたい!と刺激を受けるのはSNS。見て、すぐ、感情が沸き起こります。
テレビは、裏付けされた情報を提供しなくてはなりません。
- それが本当に流行しているのだろうか?
- それはいったい誰がつくっているのか?
- 衛生的な場所で作られたものか?
- 安全な場所で提供されているのか?
テレビ番組で出ている情報は、テレビ局が「この情報は正しいですよ」「この情報は信用できますよ」というものしか出していません。
情報の正しさや信用性を裏付けするために、それなりの期間がかかっているんですね。
こうしたワケで、テレビで流れていることって、ちょっと遅れていない?と感じる現象がおきるのです。
テレビで流れることで、それまで知らなかった人たちに知れ渡って、流行が長引くかもしれません。
流行している背景も知ることができて、新しい発見につながるかもしれませんね。
今回は、自分とテレビの流行のズレを取り上げてみました。
関連記事:テレビ業界のお仕事図鑑!どういう役職があってどんな仕事をしているのか