テレビ番組が一般にみられるようになってからまだわずか50~60年しか経っていないのですが、
多くの世代は生まれた時からテレビがあった世代です。
そのためテレビ番組はずっと昔から存在していたような気がしているのではないでしょうか。
実はまだまだテレビ番組も変わりつつある最中なのではないかと、思っています。
テレビ番組の始まり
テレビやラジオがなかった時代は、いったい人々はどうやって情報を知っていたんだろうと、思う時があります。
現在の私たちはテレビ番組を通して日々のニュースや、天気予報、電車の遅延にいたるまで、
生活に必要な情報をいろいろと得ることができています。
あまりにたくさんの情報を受けることに慣れてしまい、
時には間違った情報が少しでも流れただけで問題になり
天気予報が当たらなかったとか、そんなことですら、問題視される時代になりました。
テレビ番組やラジオがなかった時代は、人々が口伝えに言っていることが主な情報になっていたわけですから
ずいぶんいい加減な情報も多かったのではないかと思います。
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テレビが各家庭に登場してから
テレビ番組は、はじめは国民が知っていたほうが良い情報やニュースを流し、
そのほかに徐々に娯楽のテレビ番組も多く作るようになっていきました。
アニメやドラマもでき始めます。
それまで映画館に通っていた人たちは、家でテレビ番組を見て楽しめるようになったんですね。
今ではテレビ番組制作に関わりたい、という方の多くがバラエティやドラマなどの制作を志望しています。
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テレビとバブル時代
テレビの全盛期の頂点ととバブル時代は重なっていると思います。
初期のテレビ番組がどんどん進化し、変化して
フジテレビを中心として娯楽番組がたくさんできて、楽しくなければテレビじゃないという言葉通り
全国民がテレビに熱中していた時代がやってくるんですね。
- 有名タレントを使ったドラマの制作
- お金と時間をかけたドキュメンタリー番組の制作
- 人気バラエティ番組の数々
など特に夜7時から10時までのゴールデンタイムに人気番組が集中していた時です。
毎日、前日の夜の番組が人々の話題に上りました。
そしてバブル期がテレビ番組制作の頂点で制作費も最も多くつぎ込んでいた時だと思います。
バブル期というのは1980年代から1990年代の10年にも満たない期間のことを言うのですが、
やたらとバブルという言葉が言われてしまい、とても長い時期だったように錯覚している人も多いのではないでしょうか。
バブル期は日本中のお金が速い速度で回っていた時期なので、企業も広告費に莫大な費用をかけていた時代です。
そのため、制作費も潤沢にありました。
その影響でテレビ番組の作り方も変化していき、良いものを作るために、費用はかけられるので、いくらでも頑張れる、というようになったんですね。
そのため、何日もロケに行って良い映像が撮れるまで作りこむことや、有名タレントを何日も拘束して撮影することも当たり前になっていたのです。
バブル期を振り返って、あの頃はよかったとか、あの頃はもっと良いものが作れた、とやたら過去に縛られる声を聞くのですが、
実はそれは、たいして長い期間のことではなかったんですね。
ところが、バブル期に制作していた人たちが現在50~60代にたくさんいるので、
もっとも良かった数年のことがどうも忘れられないのではないかと感じるときがあります。
人はいったん良い思いをするとなかなか、レベルを下げられないものですよね。
そもそも諸外国のテレビ番組を見てもそれほど手の込んだものを作っていません。
テレビ番組にはこれが正解、というものがそもそもありませんから、どれだけ作りこんだものが価値があるのかは、本当のところはわからないと思います。
ところが、視聴率が下がると、お金をかけていないからだと、思ってしまう人もいるのです。
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現在のテレビ番組
1970年代から、バブルを挟んだ1990年代の間のテレビ番組と、
現在のテレビ番組を比較した際の、変化の要因として、
お笑いタレントの台頭があると思います。
お笑いタレントという人達はもともとは、漫才をやるか、落語をやるか、またはコントをやるという仕事で、
それ以外の分野にはあまりでてきていませんでしたし、
そもそも人数も今のように多くはいませんでした。
1970年代の頃のテレビ番組は、アイドルが出てきたころで、かわいければいい、あるいはかっこよければいいという時代でした。
若い人はテレビ番組でアイドルの歌を聞き、ドラマを見て、
また年配の人達は作りこんだドキュメンタリーや映画、ニュースを見て楽しんでいたんですね。
現在は経済が停滞していますからそれほど広告に費やせませんので、どうしてもテレビ番組の制作コストは抑えざるを得ません。
そのため、どうしてもテレビ番組は変化せざるを得なくなってきました。
ところが以前のようなアイドルでは、テレビで話をうまく盛り上げるほどの話術とタレント性がなかったので、かわりにお笑いタレントたちが場を盛り上げるようになっていったのです。
お笑いタレントたちはもともと、場を盛り上げたり、話をするのはプロですから、
コントや漫才をやるだけではなく、器用に司会や、ドラマ、などなんでもこなすようになっていきました。
またアイドルも空気を読んで場を盛り上げるようなタレント性が無ければ売れなくなっていき、
その結果現在のようなタレント性の強いアイドルが多く生まれることになったわけです。
そしてテレビ番組はお金をかけて作りこむような番組ではなく、タレント性のある人たちにより盛り上げられるように変化してきました。
1980年代に大量に現れた制作会社が、現在ではそれほど必要なくなったのも当然の流れかもしれません。
現在のテレビ番組の需要は過去とは違ってきていると思います。
生の正確な情報をインターネットからどんどん取り入れられるようになっている現在は、
制作者の意図が多く反映しているテレビ番組や、時間をかけて作るようなテレビ番組はそれほど必要ではなくなるんじゃないかと思うんですね。
必要な情報は自分で取捨選択する時代ではないでしょうか。
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これからのテレビ
最近テレビの情報は古い、同じことばかりやっている、つまらない、
という声をよく聞きます。
一方で、インターネットは便利だけど自分で選ぶのが面倒、自分で探すのが面倒
という声もよく聞きます。
確かにインターネットは自分で何を見るのかを決めなければいけません。
ポチっとボタンを押せば何かしらやっているテレビとは、違うんですね。
人間というのは、生来少しでも楽な方に行きますから、ポチっとボタンを押すだけで楽しいものが見られるならこれほど便利なものは無いと思うのです。
また、短いようで長いテレビの歴史の流れで、テレビ局も巨大な組織になるにつれ、
小回りが利きにくくなっているのも確かだと思います。
加えて、制作の現場には、古い体質を引きずるバブル期の重鎮がいて
テレビはこうあらねばならぬ、と頑として言い張っている現場も多くあります。
テレビ番組は、常に人々が望むものを作っていくために変化しているのに、変化に対応しづらくなっているのは、
組織が大きくなったことと、かつての栄光を忘れらない、人たちがいるのは否めないかもしれません。
ただ、最近若い人たちと話をしていると、いろんな光を感じます。
多くの情報を自分で取り入れた結果、テレビは、ちょっと情報が偏っているとか、コンプライアンスを気にしすぎてできないことが多くなってきてしまっているだとか、
今のテレビを何とかしたいと思っている人が確実に増えているんですね。
テレビはやっぱり好きだから、良くしたい。
自分では変えられないかもしれないけど、もっと大事なことを伝えたいと、
いう意見を持つ人が多く表れてきています。
しかも、それを言うのは、東大にいる頭のいい学生、というわけではなく
ごくごく普通の学生さんたちの多くがそんな気持ちをもっているのです。
「変えられないことは無いですよ、テレビ番組には正解なんかないから」とよく言うのですが、
そんな若い学生さんたちがテレビの現場に入って、より良い方向に変化させていってくれることを期待しているこの頃です。
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では今日はこのあたりで。