普段何気なく見ているテレビ番組ですが、番組制作には本当にたくさんの人が関わっています。
ネットでも簡単に動画を見られるようになって、YouTube動画を日常的に見ている方も多いでしょう。
そういったネットで見られる動画とテレビ番組が大きく違うのはやはり、関わっている人が多い、というところなのです。
制作スタッフがどのような構成になっているのか、ということは別の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
今回は中でもテレビ美術、さらに細かく「小道具」という仕事について、解説してみたいと思います。
美術という仕事も多岐に渡るんですね!
美術にも色々ある
テレビ放送が始まったばかりの頃は白黒での放送でしたし、録画システムなく、全てが生放送でした。今では考えられませんね。
当時は紙や木材などの加工しやすいものを使った美術が多く、舞台や映画で活躍されていた美術関係者がテレビ美術としても入るようになったそうです。
現在もテレビ美術の計測は尺貫法といって、舞台関係者が使う計測方法が使われています。
そこから素材がどんどん変化していき、最近ではCGをつかったバーチャルスタジオが使われることもあります。
また、テレビ美術と聞くとドラマやバラエティが思い浮かぶ方が多いと思いますが、
例えばニュースや情報番組などでも美術が必要になります。
例えばフリップや事故現場の模型など。
情報が入ってきてから、それらを番組で伝えるまで、限られた時間しかありません。
制作のクオリティはもちろんですが、スピードも求められるお仕事です。
美術にも色々な仕事があって、制作現場が大きくなればなるほど細分化されていることが多く、
- 美術監督
- 助手
- 装飾
- 大道具
- 小道具
などに分かれています。
全体をまとめているのは美術信仰や美術デスクといった担当ですが、
大道具はこの会社、小道具はこの会社、電飾がこの会社…といったように、会社ごとに担当が分かれていることもあります。
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小道具ってどんなもの?
なんとなく小さいもの、というのはわかるけど、小道具ってどんなものなんだろう?
確かに小道具と聞くと、小さなもの、手で持てるようなものを想像される方が多いと思います。
ですが、実はセットの骨組みの部分が大道具さんで、それ以外は小道具さんの担当になります。
例えばソファーやテーブルといった大きなものも、小道具さんの担当です。
数人で運び込まなくてはいけないような大きなものも、小道具に分類されるものがあるんですね。
小道具はどうやって作るor用意するの?
では小道具をどのように準備していくのでしょうか?
まずは制作から台本をもらって、その内容から拾える情報をとにかく拾っていきます。
台本を読むのは1度だけでなく、複数回読むことが多いです。
全体の話の流れやテーマなどを掴んだ上で、どんな小道具が必要そうか?ということを考えていきます。
次に美打ちと言われる、美術スタッフと技術スタッフと制作スタッフの打ち合わせを行います。
参加するメンバーは、
美術スタッフ
- 美術プロデューサー
- デザイナー
- 大道具
- 小道具
- 衣装
- 持ち道具
- メイク
技術スタッフ
- カメラ
- 照明
といった人たちと、番組のプロデューサー、演出。
さらに演出助手と言われるAD。
こういったメンバーですね。
次に、付帳書き(つけちょうがき)、という作業をします。
セットの図面を青図と言いますが、この打ち合わせをもとに、セットやロケなどに必要な小道具を発注書に書いていきます。
これが付帳と言われる作業です。
多い時だと本番1日分の発注点数が3000点ほどになることも…
とても細かい作業です。
この付帳をもとに、小道具を各会社に発注していきます。
発注された小道具は、
- 消えもの(飲み食いするもの。食べたり飲んだりすると消えるので消えものと言われる)
- 買い物
- 作り物
に分けられます。
高いものであれば借りる手配も行います。
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どうやったらテレビ美術の仕事ができるの?
学歴は問われないことが多く、芸術系の大学や専門学校などで学んでから就職される方もいらっしゃいますが、
小道具の制作会社やリース会社に未経験で就職して、現場で経験を積みながら覚えていく、という方も多いです。
弊社ライズプランニングではアシスタントディレクターとして番組作りを一緒にしてくださる方を募集しています。
まずはアシスタントディレクターから経験を積んで、自分のやりたい仕事の方向性を探ってみる、というのはいかがでしょうか?
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