テレビで放送されているCMは15秒か30秒のものがほとんどです。
放送合計時間で見ると、15秒のものと30秒のものが同じ時間くらい放送されているので、
本数でいうと30秒のCMよりも15秒のCMの方が2倍くらいの本数、放送されているということになります。
他にも60秒のCMや90秒の長尺CMがあったりしますが、これは割と珍しいCMで、やはりほとんどが15秒のCMになります。
また、YouTubeなどの動画プラットフォームの場合は5秒のCMがあったり、10秒のCMがあったりと、最近はいろいろな長さの広告動画が作られるようになりました。
それでもテレビCMの基本は15秒というのは変わりません。
ではなぜテレビCMは15秒なのでしょうか?
テレビCMの歴史
実はテレビ番組は今でこそ撮影して編集されたものが放送されている「完パケ(完成パッケージ)もの」が多くなっていますが、
昔は記録をするメディアもなかったことから、全てが生放送で放送されていました。
日本での民間放送が開始された当初、CMも生コマーシャルが一般的で、
この頃は1分〜2分の長尺のCMが主流だったのです。
その後、録音や録画の技術が開発され、録画CMは60秒あるいは30秒で制作されることが多くなり、
やがてテレビCMが60秒枠や30秒枠で販売されるのが一般的になりました。
その後1961年秋頃から販売単位が15秒に切り詰められ、
さらに翌年の1962年には5秒CMも誕生しました。
5秒CMでは短い時間の中で印象的なキーワードを発するCMも多く見られて流行語が生まれたりすることもありましたが、どんどんそれが過激になっていき、視聴者が離れる原因ともなりました。
「テレビが低俗なものになった」という批判もあがり、TBSテレビはゴールデンタイム(業界用語ではAタイム。19時〜21時)での5秒枠の販売を停止。
そこから徐々に5秒CMの制作数が減少していきます。
これらの経緯を経て、15秒というCM時間がスタンダードとなり、現在は30秒・60秒のものが長尺CMとされています。
人間が集中していられる時間は短い
テレビCMの歴史とともにCMの放送尺の変化について解説してきましたが、
そもそも人間が集中していられる時間そのものが短いというのもあります。
テレビCMを集中して見たことがある、という方は少ないでしょう。
基本的にテレビCMというのはテレビ番組の間に挟まれているものであり、多くの方がテレビ番組に夢中になっている、その延長でテレビCMを目にすることになると思います。
また、テレビCMは連続して複数の企業のものが放送されるので、一つ一つのCMがどの企業のどんなCMなのか、ということを覚えておくことはできないと思います。
そういった多くの情報を受け取る環境の中で見られるテレビCMは、いくら長く放送しても全てを理解しようとして見られていないので、あまり長くしすぎても意味がない、ということですね。
短すぎることによって「印象に残るものを!」という考えで制作してしまうと過激なものが多くなりますし、
長すぎてもあまり意味がない、というところで15秒が自然と妥当なものになっていったのだと思います。
関連記事:テレビCMの適切な秒数とは
放送尺とCMの料金
テレビCMは放送尺が長くなれば長くなるほど料金は高くなります。
ちなみに15秒CMと30秒CMだと、15秒の値段を2倍した上に1.1倍という料率がさらにかけられて、15秒CM1本の2.2倍、30秒CMが高くなります。
そのため、15秒CMか30秒CMかで悩んだ時は、同じ予算の場合15秒CMの方が本数を多くできる、ということをぜひ念頭に置いてから検討してみてください。
当たり前ですが放送本数が多ければ多いほど同じ人に同じCMを複数回見てもらえる可能性が高くなり、CMを覚えてもらいやすくなります。
30秒CMが向いているのは、ストーリー性があって物語を見せたいCMだとか、
あとは広く一般的に使い方などが認知されていないような新商品・新サービスの説明CMです。
それ以外のCMであれば、15秒のCMで基本は良いと思います。
飽きさせないCMとは
せっかくテレビCMをやるのに15秒なんて短い!と思われる方も多いと思いますが、
意外にも15秒のCMでも詰め込もうと思えばいろいろな情報を詰め込むことができます。
ですが、情報を詰め込みすぎるとどうしても「何を伝えたいのかがいまいちわからないCM」になってしまいがちなので、
できればCMでの訴求ポイントは1つに絞ること。
もし他の訴求ポイントを入れたいのであれば、CMを複数パターン作る、ということをおすすめします。
いくつも並んで放送されているテレビCMは、ただでさえ視聴者にとっては情報量の多いものになるので、「とにかくこれだけ伝えたい!」というものに絞ることによって、逆にシンプルで分かりやすく、印象に残るCMになるのです。
ご予算や内容に合わせてCMプランをご提案させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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