テレビCMの出稿をこれから検討している企業の方へ、今回はテレビCMのナレーション原稿の書き方について広告代理店である弊社ライズアドバートが解説してみたいと思います。
テレビCMの尺と原稿の文字数
テレビCMの尺と呼ばれる長さは
- 15秒
- 30秒
が基本です。
15秒という尺の中で話すことができる言葉の文字数は約60字前後だと言われています。
つまり30秒になればその倍の120字です。
もちろんCMの演出によって内容は大きく変わります。
例えば最近YouTubeのCMなどでよく見る早口言葉のようなナレーションや、収録したナレーションを倍速で流して情報量を多く伝えているものがあります。
逆にあえて言葉を入れすぎずナレーションをかなり少なめにしているCMなどもありますよね。
15秒のCMの目安となる文字数は60字なのですが、必ずしもその文字数に納めなくてはいけないというわけではありませんし、逆に文字数を少なくしても大丈夫です。
中にはナレーションを全く入れていないCMなどもあります。
有名どころで言うとiPhoneのCMなどが典型的なのではないでしょうか。
関連記事:テレビCMの依頼はどこにしたらいいの?どうやって頼む?
文字数は多い方がいいとは限らない
15秒のCMのナレーション原稿の目安は60字とお伝えすると70字くらいの原稿にされる企業が多いです。もちろんこれも間違ったことではありません。
15秒のCMで70字ぐらいの内容なのであればギリギリ視聴者がCMを見て内容を理解することができる情報量だと思います。
逆を言えばこれ以上になってくるとナレーションの読みを早くしなくてはいけないので、情報量が多すぎて視聴者が置いていかれてしまうようなCMになってしまうでしょう。
ではギリギリまで情報を詰め込むのがいいのかと言うと、それもまた違うような気がしています。
というのも情報を処理することができる量というのと興味を持って見られる情報かどうかというのは全く意味が異なります。
たった一言で人の興味を行くことができる言葉もあれば、情報として処理はできるのに全く興味をそそられない言葉というのがあるからです。
どうしてもテレビCMを作っていると「自社のCMをより良いものにしたい」、「せっかくお金をかけるのだから、短い時間の中でたくさんの情報を伝えたい」と思ってしまいがちです。
しかし完成したCMというのはテレビ番組の中だったり番組と番組の間の枠で流されます。
さらには他にもたくさんの企業がテレビCMを放送しており、他の企業のCMと並ぶような形で放送されます。
その中できちんと視聴者の記憶に残っていくCMを作るためにはどうしたらよいのかということを考えなくてはいけません。
そう考えた時に情報量が多いCMというのは、逆に視聴者に目を逸らされてしまうCMになってしまうのではないかと思います。
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マーケティング用語「AIDA」
マーケティング用語の中にAIDAという言葉があります。
これは
- Attention/Awareness(注意/自覚)…視聴者の注意を引く
- Interest(関心)…商品の良いところをアピール
- Desire(欲求)…視聴者の欲求と商品のメリットを結びつける
- Action(行動)…購入するための動線を案内する
の頭文字をとって作られた言葉です。
実はいろいろな広告がこの法則に則って作られています。
広告の中の起承転結のようなものですね。
CM全体にナレーションをつける場合はこういった流れを意識してナレーションの原稿を作ると良いかと思います。
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商品を端的に説明するキャッチコピー
商品を端的に説明するキャッチコピーがあった方が覚えてもらいやすくなります。
例えば有名なCMどころで言うと
- このろくでもない、すばらしき世界/BOSS
- ジューシーおいしい果汁ハイチュウ/ハイチュウ
- 結果にコミットする/ライザップ
- URであ~る/UR賃貸住宅
といったものがあげられるでしょう。
大きな意味があるようなキャッチコピーでなくても良いので、頭に残りやすいキャッチコピーがあると良いと思います。
CMで使ってはいけない表現
またCMの表現では誇大広告などが認められていません。
多くの人が目にするCMで、与えるような表現があってはならないとされていますので、CMの内容については必ず考査と言って審査のようなものを受ける必要があります。
科学的根拠を示すことができない物やサービスに関しては、最初からCM放送することができない場合があります。
内容に関しては広告代理店やCM制作会社と相談しながら進めていけば大丈夫なので、是非企画段階からお気軽にご相談いただければと思います。
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