テレビ業界はかなり業界用語が多い業界で、業界に入った時に全て懇切丁寧に教えてもらえるというわけでもないので、これからテレビの仕事をしようと思っている方はできるだけ業界用語については調べておいた方が良いと思います。
ほとんどの方が未経験のまま業界に入ってすぐにアシスタントディレクターとして働き始めることになるので、最初はわからないことだらけという状態だと思うんですね。
そんな中で少しでも業界用語を知っておくとスタートが楽なんじゃないかなと思います。
編集時に使われるテレビ業界用語については新人AD必見!編集作業時に使われるテレビ業界用語で解説していますが、今回は番組収録時によく使われる業界用語について解説していきたいと思います。
V発射
V発射のVはVTRのVです。
これは聞いたことがある方も多いかもしれませんがVTRはほとんどVと呼ばれることが多いですね。
発射というのは、VTRを「流す」という意味です。
スタジオで収録をするときはロケに行った時のVTRをスタジオの中で流して一緒に見ると言うことがありますので、そういった場合によく使われる言葉ですね。
Q出し
Qというのは合図という意味です。
合図を出すということをテレビ業界では「Qを出す」という言い方をすることが多いです。
もとはラテン語のquando(何時?)という言葉から来ているそうですよ!
また「この言葉をきっかけにしてQを出す」というようなきっかけとなる言葉があります。
そのような言葉はQワードと言われます。
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八百屋にする
スタジオに食べ物や商品などを入れ込む時に「八百屋にして出して」というような支持を受けることがあります。
これは撮影した時に乗車から分かりやすいように、出し物の下に何かものを置いて斜めに見せたりするやり方です。
実際八百屋さんに行くと、野菜が見やすいように斜めに角度をつけて陳列されているのが分かると思います。

ここからこの言葉が来ているのでしょう。
視聴者にとってわかりやすい画になるように、実は細かいところで色々な工夫をしているんですね。
上手・下手
舞台などをよく見る方は知っている言葉かもしれませんが、観客席から見た時にステージ上の右側が上手で左側が下手です。
ステージに立っているとステージ上から観客側を見ているので、ステージ側からすると左側が上手になり右手側が下手になるんですね。
右と左という表現だと、立っている位置によって左右が変わってしまうのでこの上手と下手という言葉が使われています。
テレビの収録現場の場合は映像を通して見た時に右側が上手、左側が下手ということです。
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わらう
この言葉はとても特殊なのですがテレビ業界で言う「わらう」とは、出したものをハケさせるという意味になります。
つまり出したものをということです。
「わらって」という指示が出された時に「アハハ!」と笑ってしまって怒られるというのは新人ADさんが入るとよく見る光景です。
言葉通りに受け取れば「笑い声を入れて」という意味になりますから難しいですよね。
語源としてはいろいろな説があって、もともと道具のある部分が緩んでいる状態をゆるくなってガタガタしているので「わらう」と言っていたそうです。
膝がわらう、というのも同じ表現ですね。
そのわらっている(ガタガタしている)道具は片付けないといけないから「わらう=片付ける」になったのではないかという説があります。
その他にも「取り払う」が変化したものと言われていたり、せっかく用意してもらったけど片付ける必要が出てきたので「わらって許してね」と言ったことが始まりという説もあります。
後はその逆に一生懸命準備したのに片付けるなんて笑っちゃうね、というところから始まったとも言われています。
バミる
パミるというのは目印をつけることです。
立ち位置をばみっておいたり物を置く場所をバミっておくことで、その場所に立たなきゃいけない時や物を置かなきゃいけない時にすぐに位置がわかるようになります。
ビニールテープや暗闇でも光る蓄光テープを床に直接L字やT字に貼ることが多いですね。
このビニールテープや蓄光テープを「ばみり」と呼びます。
またバミるという言葉は「ロケ場所予約する、おさえる」という意味でも使われることがあります。
こちらの語源もあまり正確ではないのですが「場(を)見る」からきているようです。
アシスタントディレクターとして現場に入ったらばみりの仕事は最初からガシガシやると思います。
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ということで今回は番組収録を現場でよく使われるテレビ業界用語についてお話ししてみました。
かなり不思議な言葉も多いように思います。
現場に入る前にぜひ予習しておいてください。
