今回はダイエットに関するCMについて、どんな時期にダイエットをしたくなるのか、年齢男女差、地域差を考慮しつつ、効果的にCMを打っていくにはどうすればいいのかについて書いてみたいと思います。
ダイエット本来の意味
ダイエット関連の商品はダイエット食品から、サプリメント、お菓子、ドリンク、
ダイエット器具、運動、ウェア、サポーター、シューズからスリッパまで様々なダイエット商品がありますが、
本来のダイエットという意味は「健康や美容のために食事の量や質を制限、規制すること」です。
そこから派生して痩せること自体ををダイエットと思っている人も多く、その結果食品に限らずダイエット関連商品は増え続けていると言ってもいいでしょう。
CMをする際は本来の意味から外れないような注意も必要ですがまずはダイエット市場について考えてみたいと思います。
ダイエットを考えるきっかけと時期
まずどんなことがダイエットを考えるきっかけになるのかについてはやはり
- 体重が増加した
- 他人から太ったと言われた
- 健康のため・医者に勧められた
という理由が男女とも多くなっており、その他では
- 暑くなり軽装になるのでダイエットしようと思った
- 水着など露出の多い服を着る予定がある
- 若く見られたい
というようなきっかけが上がっています。
最近では新型コロナウィルスをきっかけとするリモートワークにより、運動不足から太ってしまったのでダイエットしたいという新たなきっかけも多くなっているようです。
体重の増加については、最も増加するのは男女とも年末年始の年明けと言われており、
正月太りという言葉は実際に多くの人に当てはまっているようです。
また実際にダイエットを始めようと思う時期については、5月ごろまたは秋口と言われます。
5月は暑くなる前にダイエットしたいと思う人の多くがこの時期にスイッチが入るためです。
年末年始に体重が増加したものの、冬は寒さが厳しく何もしないままに体重が減少せず、その結果ゴールデンウィークの頃に体重がピークとなり、軽装になってくるので、ダイエットを始めようとなるようです。
また秋口については、春は転勤、就学等で生活が変化する人が多い時期であるため、新しい生活に慣れるのに時間がかかりダイエットどころではなく、
秋口の生活が落ち着くころにダイエットを考え始めること、季節的に何をするにも向いている時期であること、等が理由となっているようです。
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年齢別ダイエット関心
ではダイエットに関心を持つのはどんな世代なのかを年齢別に見てみると、男女とも最もダイエットに関心を持っているのは40代という年齢となっており、
40代の男性の約5割、40代の女性の約7割の人がダイエットに関心をもっているといいます。
このうち実際に何かしらダイエットを始めたいと思っている人は男女平均約20%(若干女性が多い)となっており関心がある人のうち5人に一人が実際に何かを始めたいと思っています。
また関心を持った人の中ですでに何かしら始めている人も約20%、
関心はあるけどまだ何も考えていないという人は約15%となっています。
もっとも関心を持っているのは40代ですが、次に多いの30代の女性で約65%程度の人が関心を持っており、全体としてターゲットとしては30代-40代という年齢帯がもっとも関心があるようです。
また男女の差はダイエットしたい部位についても違いが出ており、男性はお腹、女性は太もも、腕、お尻などを気にしているようです。
都道府県別ダイエットへの興味
また何かしらのダイエットをやってみたことがあるという経験者は全体の約45%の人が経験があり、男性は約40%、女性は約55%と若干女性の方が経験者が多くなっています。
これを都道府県別に見てみると、最も興味があるのは
- 滋賀県
- 秋田県
- 京都府
となっています。
男性では秋田が高く、その理由は健康のためが最もおおく、自発的な県民性の表れではないでしょうか。
一方女性の理由は指摘されたという理由が目立ち、体系の変化を他人に言われてダイエットをはじめるというある意味日本人らしいともいえる理由になっています。
またダイエットの意識が低い都道府県としては男女では
- 山梨
- 岩手
- 沖縄
などが上がっており、その他、ダイエットはやってみるものの失敗する人が多いという都道府県としては
山梨、静岡、山形、鹿児島などの県が上がってきます。
ダイエットの意識が低い県とやってみるものの失敗する県はだいたい似ており、
これらに共通する理由の一つとして、ダイエットしていることがわかると恥ずかしい、まわりに何か言われてしまうのではないかという、地域的なことや日本人らしい一面が見えてくるようです。
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人気のダイエット商品
ではダイエットに関心がある人はどんな方法を好むのかについてですが、
男性は主に体を動かしたい、女性は手軽な方法でダイエットしたいというように、少し意識の違いが見られます。
全体として人気なのはウォーキング、自宅でできるエクササイズ、スポーツクラブに行くなどになっており、食品としてはお茶類が最も人気が高く、次いでサプリメント、それ以外の飲料、などの順になっています。
食事の質、量、時間で調整するというように商品を特に使わずにという人も多いですね。
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効果的なダイエットCM
これらを踏まえてダイエット業界のCMを打つ際はどのようにすれば効果的にCMを打てるかですが、
首都圏や関西圏等は、人口の絶対数が多いのでターゲット的には数が多くなると見込まれますが、CMを投下する際は、一度に絶大な効果を期待するのは基本的に難しいため、
いろいろ工夫しつつすすめて行くケースがおすすめです。
ダイエット商品についても始めての商品を投下する場合は最初は、エリアを絞って投下してみるのがよいでしょう。
そのためダイエットの意識が低いと思われる山梨、岩手、沖縄などは省き、比較的意識が高い滋賀、秋田、京都あたりに絞るのも良いと思います。
滋賀は広域である関西圏に含まれているので、範囲が広くなってしまいますが、京都も含まれていますので、やってみる価値はあるでしょう。
また秋田は単体県でCM投下が可能ですので、最初のお試し県としては少ない金額で始められるのでお勧めの県と言えます。
また女性向けのダイエット商品であれば長崎なども比較的意識が高いのでおすすめの県です。
時期的には商品の特性にもよりますが、ゴールデンウィークをあけて夏前の5月後半から7月頃まで、
また男性向けであれば体重が増える正月明けあたりでもいいでしょう。
一般的に習い事は4月に始めるイメージがありますが、これは子供の場合が主で、大人については生活の変化が少し落ち着いた秋あたりがおすすめで、
スポーツに向いていること、暑すぎず寒すぎない季節で、食事などにも目が向きやすい時期であるともいえます。
時間帯については男性向けなら朝晩と土日のコの字型と呼ばれる時間帯がおすすめで、
女性向けで中でも主婦や高齢者向けであれば一日中まんべんなく投下する全日型と呼ばれるやり方、
また働く女性向けなら男性同様コの字型が良いと思います。
エリア的にはネット商品であれば全国可能ですが、テスト的に前述したような比較的意識の高い県をターゲットにやってみるのが良いでしょう。
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ダイエットCM注意点
ダイエット効果を標榜する商品は数多くありますが、あくまで効果はひとそれぞれですので、効果について断定的な表現を言ってはいけないということがあります。
商品によりますが、専門家の指導の下、適切な運動と食事制限を行っているというような表記を追加したほうが良い場合もあります。
またダイエットは本来食事制限を意味し、あくまで痩せることを言っているのではないので、ダイエット=痩せると誤解されるような表記もできないのです。
これについてはCMを制作する際文言の選び方がかなり難しくなってくると思いますので、
制作に入る前に絵コンテなどの状態で十分に考査をかけるようにかけるようにした方が良いでしょう。
薬事法、景品表示法など確認しなければいけない法令がありますので、注意してください。
一般的には食品について言えば、カロリーの少ないものを摂取し、総カロリーが減少し、結果として痩せるという置き換え的なダイエットのみは認められていますが、
人体に対する作用によって痩せるような標榜は医薬品的な言い方になってしまうので、考査が通らない可能性があります。
また当該商品の摂取で痩せるかのような表現や、運動が必要でないようなことを標榜することも問題があります。
このようにダイエット関連の商品については考査が厳しくなる傾向がありますので、時間的余裕をもって臨むと良いと思います。