映像を制作する仕事では、ディレクターとクリエイターという肩書があります。
YouTuberの方は映像クリエイターや動画クリエイターと名乗っている方をよく見かけますよね!
似ている肩書ですが、どう使い分けているでしょうか?
まずディレクターとクリエイターってどんな姿をイメージされますか?
きっと、両者とも、パソコンを前にして、編集をしている姿を思い描くのではないでしょうか。
それは両者に共通する仕事です。
もう一つ、共通するのは、自分で撮影すること。
どちらも自分で撮影して自分で編集する、という仕事をしています。
では、違うのは、何かというと…
見出し
ディレクターは放送業界で活躍している
ディレクターは、主にテレビ制作や放送業界で使われています。
- テレビディレクター
- 番組ディレクター
- CMディレクター
- ラジオディレクター
テレビ番組やラジオ番組、CMを演出する人をディレクターと称します。
今回は、いちばん母体数が多いテレビディレクターのことを考えてみたいと思います。
クリエイターの活躍場所はテレビ以外
クリエイターは、「動画クリエイター」とか「映像クリエイター」と称されています。
映像を自身の作品として制作していて、主にネットで公開していることが多いと思います。
違いは何か、というと、活躍している場所がテレビなのか、テレビ以外なのか。
そして、その作品に誰が関わっているのか、ということ。
関連記事:多様化する映像業界、テレビとYouTubeの違いとは
ディレクターについて
ディレクターの語源はディレクション
それぞれの語源をさかのぼってみると…
ディレクターの語源は、英語の「ディレクション」です。
意味は「方角、方向、指示、指揮、命令」。
ディレクターの仕事は、自分でカメラを持って撮影して、編集する、ということもあるのですが、
本来は、撮影はカメラマンや音声さん、照明マンで組まれたクルーの役割ですし、編集も専任者がいます。
ディレクターは、テレビ番組を制作するチームの指揮者、という立ち位置なのです。
テレビの制作は規模が大きい
テレビ番組は予算が削減されて、ひとりがこなす役割が増えてきました。
機材やソフトの開発で専門知識がなくても扱えるようになった技術の進歩も後押しされたというのもあります。
とはいえ、テレビ制作に関わるスタッフは多人数。
タレントや芸人、俳優や文化人といった出演者、撮影クルーもそうですし、スタジオ収録なら、大道具や小道具といった美術スタッフもいますし、カメラの台数も複数になりますから、撮影クルーも十数人という規模になります。
関連記事:テレビADのロケハンチェックリスト!バラエティ番組のグルメ企画編
テレビ制作は工程も多い
そして制作工程も多いという特徴があります。
撮影までに、下調べをして、構成を組んで、台本を作って、と準備をしますが、それぞれの工程ではプロデューサーのチェックが入り、それをクリアしないと次に進めません。
撮影が終わって編集をしますが、最低3回は試写をして修正をします。
その都度プロデューサーのチェックがはいって、OKをもらったら、さらに仕上げの編集をして、ナレーションを書いて、ナレーションと音楽を入れます。ここでも、工程ごとにチェックが入ります。
それぞれの工程で作業をする人たちの指揮をするのがディレクター。
もちろん、自ら執筆したり撮影したり編集も含まれます。
関連記事:ディレクターになるかプロデューサーになるか、テレビ業界での進路
クリエイターについて
ではクリエイターはどうかというと、
クリエイターの語源は、英語のクリエイト、「創造する」が語源です。
もっと辿ると、ラテン語のcreareで、「生み出す、育てる」という意味があります。
創造する、というのは、それまでにある形に囚われずに、新たな表現を生み出すもの。
映像の世界で当てはめると、テレビという日常にあるメディアでは見ることができない意図や演出のある映像制作物、といたったところでしょうか。
私はこういう映像がみたいから作ってみた、というのがクリエイター。
自ら撮影して編集をして、どのタイミングでどこに配信するかも自分で決めるのがクリエイターです。
YouTubeで発信している人たちは、自分のことを動画クリエイターと呼ぶのは、そういう背景があるからですね。
ディレクターは、専任のスタッフを抱えて、指揮する人。
クリエイターは、ほぼ一人で制作する人。です。
関連記事:テレビディレクターとして就職したい!どうしたらいい?
ディレクターとクリエイター、どっちに向いている?
規模の大きい仕事をしたい人はディレクター向き
ディレクターは大勢の人を指揮したり、時には説得したりしなくてはなりません。
多くの人と仕事をするのは、仲間になれますが、ときには衝突も起こります。
それもわかったうえで、大きな作品を作りたい、という人が向いています。
こだわりの強い人や、人づきあいに感じやすい人は向いていないでしょう。
予算が削減されているとはいえ、専門の知識や技術をもった人たちが関わっていて、タレントを使って、いろんなところで撮影ができますから、それは自分ひとりではできません。
そのスケールメリットはあります。
こだわって作っていきたい人はクリエイター向き
表現方法や撮影、編集にこだわりのある人、自分の個性を発揮したい人はクリエイター向きです。
ほかの人と一緒に制作するのが苦手だったり、自分が伝えたいことや表現したいことが確固としてある人が向いています。
ディレクターになるには
大学を卒業して、テレビ局やテレビ番組制作会社に入って、ディレクターになる、というのが主流です。
撮影や編集といったスキルよりも、歴史や文化、世界情勢やスポーツなど専門的な知識を持っていたり、いろんな背景を持った人と交わったり、いろんな場所へ自ら飛び込んでいったような経験をしていると活かされます。
関連記事:テレビ業界の面接で面接官が見ているたった一つのこと
クリエイターになるには
自分が映像で何を伝えたいのか表現したいのか、を持つこと。
そして、どんなに短くても拙くてもいいので、SNSで発信し続けること。
最初は明確なテーマがなくても、続けていくことで、はっきりしてきますし、発信していれば、賛同してくれる人がついてきます。
こういうクリエイターさんに、自分のアイデアを撮ってほしい、と感じてくれる人もきっと出てきます。
関連記事:フリーランスでテレビディレクター!やっていけるものなの?