今回はテレビディレクターに向いてる人の特徴についてお話ししていきたいと思います。
本来裏方の仕事ではあるのですが、最近はディレクターがテレビに出ていたり、コンテンツの作り方について発信をしていたりして、テレビディレクターという仕事も知名度が上がったのではないかと思います。
通常テレビディレクターになるには、最初はADと呼ばれるアシスタントディレクターというポジションからキャリアをスタートさせることになります。
平均で言うと3年から5年ほどADとしてキャリアを積んでからディレクターになる方が多いです。
もちろん全員が全員ディレクターになるわけではなく、プロデューサーになるために次はAPになるという方もいますし、ずっとADをやり続けるという方もいます。
仕事の能力が高い低いという話ではなく、向き不向きというのがあるように思いますね。
そこで今回はテレビディレクターに向いてる人の特徴についてみていきましょう。
管理能力が高い人
テレビディレクターは番組制作の制作現場における総指揮者という立ち位置になります。
番組制作の現場には多くのスタッフがいます。
ADだけではなく
- 美術
- カメラマン
- 音声
これらのスタッフは一緒に番組制作を作っていく現場で仕事をしますが、それまでに番組の企画を作り上げる時はプロデューサーや脚本家といった人たちとも連携をとって仕事をしていく必要があります。
そういった中で求められる能力は管理能力です。
演出をする人なのだからクリエイティブ力が求められるのではないかと考えている人が多いですが、実際のところ必要なのは管理能力の方だと思います。
多くの人を動かし期日までに決められた内容を仕上げなくてはいけません。
例えば演出力がとても高くても、決められたスケジュールまでに小さくを終わらすことができないのであればテレビディレクターにはなれません。
どんなに良いクリエイティブを作ることができたとしても、スケジュールを守ることができないのであれば、テレビではなく動画を作っている方が良いのです。
決められた期日までに出来うる限りのことをして面白いものを作り出す、というのがテレビディレクターがやらなくてはいけないことです。
そしてそのために自分の指示によって多くの人を動かして行かなくてはいけません。
全体のスケジュールが見えていないと上手に指示出しをすることもできないでしょう。
よくYouTubeをやられている方がテレビ番組の現場に携わられておっしゃっていることですが、YouTubeに比べてテレビ番組というのは、一つの番組を作るのに関わる人の人数がとても多いんですね。
それらをまとめていくのがディレクターの仕事なのです。
客観的に物事を見られる人
ディレクターは番組の演出を行います。
自分が面白いと思っていても、それが他人から見たらそうではないかもしれない、ということを常に考え続けなくてはいけない仕事です。
各テレビ局のお問い合わせフォームやBPOの方に、毎日常に視聴者からのクレームが届いています。
もちろん全てに従わなくてはいけないというわけではありませんし、あまりにも内容が主観的すぎるものも含まれます。
しかし制作をするディレクターは「この表現で不快な思いをする人がいるかもしれない」ということは考えなくてはいけません。
面白いと思ってやったことが人を傷つけることに繋がったり、番組のメールを採用したりすることもあるわけです。昨今は特にそういったことが増えましたね。
気を使いすぎることで何も出来なくなってしまいますから、なんでも気を使えば良いというわけでもないですが、
受取手である視聴者は自分とは全く異なる考え方をする人も含まれているということを念頭において制作を行っていかなくてはいけません。
そのためには物事を人がどのように捉えるのかということに常に興味を持っていなくてはいけないですし、自分一人が面白いと思っているだけではいけないのです。
なるべく客観的に自分のクリエイティブを評価することができる 目が必要です。
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臨機応変に対応することができる人
現場でハプニングはつきものですがそれらをさばいていくのもテレビディレクターの仕事です。
多くの人に指示を出して番組制作をしていくのがディレクターなので、ディレクターは臨機応変に対応することができず優柔不断になってしまうと、その下のアシスタントディレクター達もどのように動いていいかが分かりません。
例えば撮影が天気に左右されてしまうようなものだと、その後どのように撮影を進めていくかということをその場で考えて指示していかなくてはいけません。
弊社ライズプランニングの場合は情報・報道番組を中心にスタッフの方達にお仕事をして頂いていますが、特にこういったジャンルの場合は速報が入ったりして番組の構成がよく変わります。
今その場所で起こったことに対してどのように対応していくかということを考える力が求められるのです。
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ADに向いてる人とディレクターに向いてる人は違う
ここまでテレビディレクターに向いている人の話をしてきました。
テレビディレクターになるにはまずADとして経験を積むことがほとんどの場合必須となるわけですが、実はADに向いてる人とディレクターに向いてる人というのは同じではないんですよね。
指示を受けてその指示通りに動くのがAD。指示をして人を動かしていき、全体のバランスを調整していくのがディレクター。
ADな経験を経てディレクターになるわけですがやる仕事は正反対といっても良いわけです。
といってもADとしての仕事がままならない人にはディレクターの仕事はできませんし、ディレクターになったからといってADの仕事を一切しなくてよくなるというわけではなく、むしろADのフォローを積極的にやっていかなくてはいけないのがディレクターです。
向いてる向いてないの要素がかなり異なるADとディレクターですが、将来テレビディレクターになりたいのであればAD期間もきちんと仕事をこなしていかなくてはいけません。
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