最近は番組にスタッフが出演するシーンも多くなってきました。
アシスタントディレクターがいじられたり、ディレクターがレポーターのように中心になって取材している番組もあります。
通称ナスDと呼ばれるかなり個性的なディレクターもいるし、
実際ディレクターってああいう変人(良い意味で)が多いの?どんな人が多いんだろうって思う人もいると思います。
そこで今回はディレクターって本当に変人が多いのか?について書いてみたいと思います。
テレビ業界に変人が多い理由
ディレクターって一言で言うと現場監督みたいなものです。
企画を立てたり、ロケをしたり、番組の構成を考えたりするし、いわゆる現場の責任者なのですが、
テレビって番組の種類が多いからディレクターのタイプも実はいろいろ。
とはいえテレビのディレクターに求められることの一つに
- 視聴者が楽しめるものを作る
- 視聴者が知らない情報を伝える
ということがあります。
もしもテレビが当たり前に誰でも知っていることをもっともらしく伝えても誰も興味がわかないですよね。
つまりテレビって
「え?そうなんだ!」とか
「知らなかった!」とか
「なるほどそういうことだったのか!」とか
「とにかく楽しい!」
など、見てよかったと感じるような番組を作らなきゃならないんですよね。
ところで変人って呼ばれる人ってどういう人かというと
- 人と違ったことをする
- 変わった趣味を持っている
- 独特な自分の世界がある
- 協調性が無い
- 変な特技がある
- まわりの目を気にしない
- 人と群れない
- 人と違う発想をする
- 常識が無い
- 変なところに執着する
などなど。
要するにみんなとちょっと違うことを言ったりしたりすると変人呼ばわりされてしまいます。
ところがテレビにおいてはみんながすでに知っていること、当たり前のことをやっていても面白くないわけです。
同じものを取材するにも別の観点からものを見るとか
一般の人が気が付かないところに気付くとか
あまり知られていない趣味を持っているので珍しい番組を作ろうとするとか。
また執着心が強いと、とことん深堀りしたり、または編集するにも細かいところまで気にして何度も直したり
そうやっておもしろい番組が実はできていってるんですよね。
つまりテレビの業界においては変人大いにあり、といってもいいかもしれません。
ただし、テレビは一人きりでは作れずチームワークも必要なので、群れない、単独行動を好むという変人はちょっと厳しいですね。
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テレビのディレクターに向いている変人は
変わった趣味や得意分野があったり、物事をいろんな角度から見られる、つまり他人の目を気にせず人と違う発想ができる人で、
好きなことに執着心がある人はディレクターに向いている人と言えるかもしれないわけです。
では実際にどんなディレクターがいるかいくつか例を挙げてみます。
アマゾンにいくディレクター
ナスDもいろんなところに行っていますが、ああいうロケは何が起きるか予測がつかないのに本当に大変だと思います。
あるディレクター、その人もアマゾンに取材に行ったのですが、やはり体力的にかなりきつかったと言っていました。
今の時代は昔よりコンプライアンスや安全確保という面がとても厳しいです。
テレビ局も一企業なので仕方がないのですが、もし事故が発生したらとか、何か問題が起きたらということもとても気にします。
特に誰が責任を取るのかということはとても微妙な問題です。
ロケというのは通常保険をかけるものですが、アマゾンのようなところは誰もいったことがありませんから、何をどんなふうに取材してくるかを詳細に決めることもできず
そこは最終的にはディレクター判断というのがとても大きくなるわけです。
そのディレクターは少し前のことになりますが、アナコンダ(巨大な蛇)が出てくるようなところにいくのに「何かあったらどうするんだ、どこが責任を取るんだ」と言われて
閉口したけど、まあそれも立場的に仕方ないとして最終的には
何かあったら自分の判断でやりましたといいます、と啖呵を切る
ことでロケを決行したと言っていました。
そこまでしてなぜ危険な地域に行くのかと思うのですが、そこがやはり変人なのかもしれません。
その仕事をしたかったんですよね。
結果として良いものが撮れたらしいですし。
普通の人が行かないようなところにも行っちゃうようなディレクターっているし、だからこそ面白い番組ってできているわけです。
アニメオタクのディレクター
見た目はおとなしいあるディレクターは、
よくいるようなイケイケの元気なディレクターのイメージからは程遠いのですが
仕事をやらせると細かくて面白いものを作ります。
彼は筋金入りのアニメオタクで、自分が生まれるずっと前の時代のアニメから現在の作品まで知らないものはないんじゃないかいうほどのアニメ好き。
一見話下手に見えるのにアニメを通してすぐに相手の心をつかんでしまいます。
誰でも子供のころに見ていた漫画や、アニメっていうのがあるものですよね。
相手が鉄腕アトムを見ていたとわかると途端に鉄腕アトムの細部のシーンの話題をはじめるし、
アタックナンバーワンを見ていたとわかると、登場人物の名前やストーリーをよく知っているのでその話題で盛り上がるわけです。
どんな世代の人ともアニメや漫画を通じてすぐに意気投合できるのは特技といってもいいんじゃないかと思いますね。
アニメに詳しいので、アニメに関する企画やちょっとアニメの知りたい情報があると彼に聞けばわかるということで、アニメに詳しいディレクターというイメージがあるようです。
ぼやっとした印象ではなく個性があるというのはこの業界においてはとても大事だと思いますね。
カーマニアのディレクター
車が好きと言う人は少なからずいますがミニカーマニアのディレクターがいます。
発売される車ってほぼミニカーにもなっているんですが、すべて持っているというマニアですね。
車関係ってテレビの大きなスポンサーになることが多いんですが、新車情報はもとより、車の構造の違いやデザインのこだわりなど細部に詳しいので、
スポンサーありきの番組の場合、担当になったりすることも多いわけです。
ちゃんと商品を知っているというのはスポンサーにとっても嬉しいことですから。
また彼はミニカーに限らずこだわりを持つ方で、ラーメン好きが高じてラーメン店に行き続け市内のラーメン店をすべて網羅し、
その特徴を全部メモっているというオタクぶり。
ラーメン系の企画物もテレビでは結構多いので仕事にも役に立っているようです。
ラーメンならあのディレクター、という感じですね。
これと決めるととことん追求するのでちょっと変人じゃないかと思うところはあります。
でもこだわりがある分、妥協せず調べ続けるのは彼の良いところで、彼が出す情報は深いんですよね。
結果として同じことを扱っても一般の人はそんなこと知らなかった、という情報に行きつくわけです。
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フワフワしているディレクターもいる
ディレクターというとイケイケの人ややたら元気のある人が浮かぶのではないでしょうか。
確かにディレクターの中にはそういう人も多いです。
俺が何しろ一番!というような人ですね。
それも大した根拠もないのになぜか頑張れるし「いける!できる!」と思っている人。
ただ、そういう人ばかりではなくふわふわしたディレクターというのもいるものです。
そういう人は変人ではないし、いわゆる普通に見える人ですが
人あたりがいいので妙な安心感があるようで、周りに人が集まってくるし、
ロケで思わぬことが起きてもあわてないので周りが安心するようです。
こうでなければならないというのが強すぎると周りは大変なのですが、
ある意味柔軟で適応能力が高いということのようです。
突飛な企画の場合、「そんなのだめ!」とはじく人もいますがふわふわしたタイプの人は「それもありだね」と、受け入れてくれることもあるでしょう。
そしてそういうディレクターの場合、自身はすごく頑張らなくてもなぜか周りが頑張っちゃうことが多いです。
人間性かもしれないですね。
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女性に多いタイプ
最近はテレビ業界には女性がとても多いです。
女性のディレクターはどういう人が多いかというと、
- 元気な人
- 明るい人
- よくしゃべる人
- よく食べる人
そんな人が多いようです。
ディレクターはみんなを引っ張っていくタイプなので基本的に元気で、明るくないと人はついてきません。
また、指示を出さなければいけませんからちゃんと喋れることも必要ですね。
テレビ業界の仕事は時間がないところでパパっと食事をとらなければいけないことが多々あります。
体力がいる現場のディレクターはなんでもちゃんと食べなければ体力が持ちませんから
好き嫌いせずによく食べる女性ディレクターが多いです。
女性ディレクターの一番の特徴は元気なことで、あまり変人と呼ばれる人は少ない気がします。
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男女に限らず、変人といわれるディレクターもそうですが、
全員に共通するのは気配りができるということです。
ディレクターは必ずと言っていいほどとても気が効く人が多いです。
言われる前にすでにささっと動いている、そんなところはディレクターになると皆身についてくるようですね。