旅や紀行ものの番組や、自然をテーマにした番組では、ドローンの映像はあって当たり前になってきました。
- のどかな田園風景
- 雄大な山岳
- 色とりどりの花畑
- 独特な形の建造物
- 高層のビル群
- 流麗な川
などなど。
番組制作者や、クライアントさんたちから、「ここはドローンの映像がほしいよね!」なんて言われれます。
見出し
ドローンがなかった頃とドローンが出来てから
ドローンがなかったころは、ヘリコプターにカメラマンと乗って空撮したり、巨大なクレーンを設置したりするしかありませんでした。
ヘリで空撮だと高度が高くて俯瞰すぎるし
クレーンからだと、設置の場所が必要でした。
ドローンだと高さも自在で、撮影対象に近寄ることもでき、いろんな角度や距離感の映像を撮影することができます。
室内でも、人物と並行に飛ばすことができるため、レールを設置することなく、スムーズなドリーを撮影することだってできます。
ただ、ドローンであればどこでも飛ばせる、どんなものも撮影できる、というわけはありません。
ドローンを飛ばして映像を撮るには、ルールがあります。
ドローンは、日本では重量によって分類されています。
200g未満の重さのものは、模型航空機。
200g以上のものは、無人航空機で、200g以上のドローンは、国土交通省が発している「無人航空機の安全な飛行のためのガイドライン」を守らなければなりません。
この重量は、機体にバッテリーやカメラなど付属品を取り付けた状態の重さです。
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プロが使っているドローン
プロのカメラマンが使用しているドローン機材で、メジャーなのは、
「Phantom」(ファントム)と「Inspire」(インスパイア)という機種。
両方ともDJI社の製品です。
番組制作で使っている空撮用のドローンですと、DJI社のこの2機種が独占状態といってもいいくらいです。
「Phantom」は、安定した動きと4Kカメラ搭載で、情景を空撮で撮るのに適しています。
「Inspire」は、360°回転式ジンバルと4Kカメラ搭載しているため、カーレースや野生動物など、動きの激しい対象物を追いかけるのに適しています。
重量は「Phantom」で1375g、「Inspire」で4250gとなかなかの重さがあります。
両方とも200g以上ですから、ガイドラインを守らなければなりません。
関連記事:テレビ業界で実際に使われている3大映像編集ソフトについて解説
「無人航空機の安全な飛行のためのガイドライン」で注意する箇所
このガイドラインで特に注意するところは、
- 飛行の禁止区域
- 飛行の方法
です。
飛行の禁止区域
飛行の禁止区域は、
- 地表あるいは水表から150m以上の高さの空域
- 空港の周辺
- 人口密集地
人口密集地は、国土地理院の地理院地図を見ると、人口密集地が赤く表記されています。
東京23区は真っ赤です。
これらの禁止区域で飛ばしたいときは、国土交通省に申請をして許可をとる必要があります。
飛行の方法
飛行の方法でも注意点があります。
- 日中(日の出から日の入りまでの間)に飛行させる
- 目視できる範囲で、ドローンとその周囲を常時監視して飛行させる
- 人、建物、車輛などから30mの距離を保って飛行させる
- 祭礼、縁日など人が多く集まっている催しものの上空で飛行させない
- 爆発物など危険物を輸送しない
- 物を投下しない
特定の人や、建物、車輛などを撮影したい場合、その対象に近づいて撮影したいときは申請しなくてはなりません。
また、イベントを上空からドローンで撮影する場合も、申請が必要です。
空撮をする場合、特定の場所で空撮したいことがほとんど。
弊社が今までにどんな場所でドローンを飛ばしたか、というと
- 巨大大仏の清掃の取材のときに、巨大大仏の頭のてっぺんをお掃除する人をドローンで撮影。(全高120m)
- 重要文化財の城をドローンで撮影
- 山の中にある、お菓子の工場と直売所を取材したとき、人里離れた場所にもかかわらず、1日に何千人ものお客が集まり長蛇の列ができたところをドローンで撮影
などの案件がありました。
ガイドラインで書かれていても、取材のためのドローン撮影となると、許可を撮ったほうがいいのかどうか判断つかない場合があります。
そういうときは許可を取っておいたほうが、あとあと面倒がなく安心です。
関連記事:撮影許可ってどうやってとってるの?
国土交通省への申請の方法
ドローンでの撮影許可は国土交通省のホームページから申請できます。
今はオンラインサービス「DIPS」からの申請が便利です。
ただし、許可が下りるまで、最低でも10日間、申請に慣れていないと、書類不備の可能性もあるため、2週間くらい前に申請しておく必要があります。
余裕を持って撮影にのぞむためにも、許可どりはしっかりとしておきましょう。
関連記事:カメラワークと画角に関する撮影用語解説
ドローン撮影の準備
余裕をもってドローン撮影の準備をすること、計画を綿密にたてること、ドローン操縦者がロケハンすることが必要です。
クライアントさんや制作者が、ここは飛ばせるだろうと思っても、
実際のドローン操縦者が現場を見ると、ここでは飛ばすことができないと判断したり、申請が必要と判断することもあります。
当日の天気や風の状態によっても、飛行は危険だと判断することもあります。
ドローンの飛行時間
また、ドローンの飛行時間は短いです。
一つのバッテリーで、15分から20分程度しか飛行することができません。
予備のバッテリーの準備はしていますが何度も飛ばすことはできません。
いろんな角度からの映像を欲しがるディレクターがいますが、時間に制限があります。
また、一回しか撮影のチャンスがない、というのも操縦者にとっては緊張を強いることになります。
準備万端であっても、どんなに経験を積んでいてもドローンの操縦者は緊張しているもの。
撮影時間は余裕をもって、撮影を依頼しましょう。
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