弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
テレビ番組制作時にロケに行くことがありますが、
このロケスケジュールの作成はアシスタントディレクターでも行うことがあります。
その際に必要になってくるロケスケジュールの作成の仕方について、一例として飲食店の取材をすると仮定し、解説してみたいと思います。
テレビ業界に入る前にぜひ、ロケに行く際のノウハウを予習しておきましょう!
- ロケに行く際のアシスタントディレクターの仕事の流れ
- ロケスケジュールの作成の仕方
許可取り
まずは撮影したいお店に連絡し取材交渉をし、取材の許可をもらいます。
通常営業の合間、ランチタイム終わりから夜の営業が始まる前の時間で取材を受けてもらえることが比較的多いでしょう。
ちなみにお店への連絡もアシスタントディレクターの仕事です。
最初は緊張するかもしれませんが、電話での連絡も慣れてくれば自然にできるようになります。
電話のかけ方、応対の仕方は別の記事でも詳しく解説していますので、ぜひそちらをご覧ください!
移動時間の計算
お店への移動時間、移動手段を考えます。
技術クルーやリポーターが一緒に行くことになると思いますので、移動手段としては車移動が多いかなと思います。
技術クルーは出発地で合流。
リポーターとは途中駅でピックアップする、という形で仮に考えてみましょう。
実際に無料で利用できる『NAVITIME』や『Google Map』の「自動車ルート検索」機能を使って移動時間にどのくらいかかるか調べてみます。
出発時間や日付(曜日)を入力して検索することで、その時の交通量などを想定して結果を出してくれます。
途中でリポーターをピックアップするのも時間通りにできるとは限りません。
少し時間に余裕をもたせて移動時間を計算してみると良いでしょう。
1日に複数箇所ロケに伺うこともあります。
それぞれの箇所で時間が遅れていき、後ろのロケ先で迷惑をかけることも多いので、全体的に余裕をもったスケジュール感にすることが大切です!
お店到着から逆算した時間が出発時間となります。
関連記事:グルメロケに行く時のアシスタントディレクターの心得
お店に到着してから
取材するお店に到着してからの動きを考えてみましょう。
まずはお店のご主人にご挨拶をします。
お店は営業時間やスタッフさん方の休憩時間を削って取材に対応してくださっていますので、ご協力いただくことに感謝の気持ちを持ち、ロケがスムーズに進むよう、良い印象を持ってもらえるように努めましょう。
ご挨拶が済んだら軽く打ち合わせです。
これと同時に技術さんには、リポーターが座る席を確認してもらい、照明のスタンバイをお願いします。
関連記事:テレビADのロケハンチェックリスト!バラエティ番組のグルメ企画編
撮影する
撮影したいものを書き出し、それに合わせて撮影時間も見積もります。
- お店の外観
- リポーターの入店シーン
- メニューを見てオーダー
- 調理風景
- 完成した料理
- リポーターの食リポ
- 店長とのやりとりを撮影
- 調理風景の追加撮影
- 完成した料理の箸上げ
- 料理の接写(UP での撮影)
などなど、あらかじめ何を撮影しなくてはいけないのか、ということもリストアップしておきます。
ちなみにグルメロケでの「箸上げ(はしあげ)」はアシスタントディレクターの最初の仕事になることが多いです。
箸上げとは、お料理のインサート(お料理単体を画面いっぱいで撮影し、どのようなメニューなのかを視聴者にわかりやすく解説するためのカット)を撮る時に、ご飯や麺を箸で上げて見せることです。
みなさんもグルメロケ番組で一度は目にしたことがあるカットだと思います。
箸上げの手が震えていると、うまく撮影することができません。
そのため、手が震えないように、その上でカメラに美味しそうにお料理が映るように、新人ADは箸上げの練習をします笑
実際にロケスケジュールを作ってみよう
例として、以下のようなロケを行うとします。
取材先: 和食レストラン「来豆」(横浜市港北区新横浜駅前)
営業時間 11:30~14:00/18:00~21:00
人気メニュー「とんかつ定食」
取材日時:●月▲日(火) /取材許可 14:30~17:30
出演者: グルメリーポーター・播磨貞秋さん
主な撮影:人気メニュー・店紹介、食リポ、店長インタビュー
出発地: ライズテレビ(港区新橋6-20-11)GoogleMap(弊社ライズプランニング所在地)
技術合流:(同上) →ロケバス移動・技術スタッフ同乗
リポ合流:品川駅高輪口(西口)
この場合でロケスケジュールを書いてみると、以下のような感じになります。
実際には時間を入れて書いていきます。
これは一般的なロケスケジュールの雛形です。
また、テレビ取材の基本として「こちらでお願いして作っていただいた料理の代金」は
お支払いするようにします。
番組によって考え方に違いがあるかもしれませんが、「テレビで紹介するんだから…」といった考え方はトラブルの原因です。
ご厚意でお店負担としていただくこともありますが、基本的にはお支払いする前提で進めた方が良いです。
アシスタントディレクターロケスケシュールを組むことも仕事になると思いますので、ぜひ活用してみてください。
もちろんいきなりロケスケジュールを組む仕事を任されることはありませんが、将来的にこういうお仕事をすることになるんだ、と思いながらロケに同行すると、見方もまた変わってくると思います。
関連記事:【新人AD向け】報道・情報番組で使われる映像素材の取り扱い方