小さいころからテレビが好きだった、テレビがいつも家族の中心にあって楽しく見ていた、
だからテレビを作る仕事をしたい
と言う人は多いと思います。
ところがいざ仕事にするとなったら、どんな会社を選べばいいのでしょうか。
制作プロダクションに入ることを考える人が多いと思いますが
制作プロダクションにも種類はあるのか
そもそも自分はテレビの何をやりたいのか、とハタと考えてしまう人もいるのではないでしょうか。
テレビの制作にはディレクターもいればカメラマンもいるし、舞台セットなどの美術系を担当する人もいるし、ネタやナレーションを考える作家という人たちもいますよね。
今回はこれからテレビの仕事をやっていきたいという人のために、どんな制作プロダクションがあって何をする会社なのかについて書いてみたいと思います。
最初は何をやりたいか決めかねているとか、やってみて途中でやりたいことが変わったらどうするのか
等についても書いてみます。
制作プロダクションの種類
テレビの番組の多くは制作プロダクションが担っているということはこれまでこのサイトでもいろいろと触れてきました。
それは主に番組制作のプロダクションについてでしたが
実は制作プロダクションも仕事の種類によって分かれています。
大きくは
- 番組制作プロダクション
- 技術プロダクション
- 美術プロダクション
番組制作プロダクションは番組を制作するディレクターやアシスタントディレクターを抱えるプロダクションで、
完パケ番組を作ったり、スタッフがテレビ局に出向派遣して局内の番組を制作したりする会社です。
技術プロダクションというのは、カメラマンや、照明さん、MAといって音入れをする人がおり、またロケ用の車輛を用意したりする会社です。
テレビを作るにあたり、技術的なことを担う人たちがいる会社ですね。
そして美術プロダクションというのは、スタジオのセットを考えたり準備したり、ロケやスタジオに必要な小物の用意や、メイク、衣装などを担う人たちがいる会社です。
生放送などを見ていると、スタジオが美しく飾られていたり、歌番組などでは歌手が変わるごとにセットが変わったりしますよね。
そういうのは美術プロダクションが請け負ってセットを作っているんですね。
スモークが出たり紙吹雪が舞ったりする、あれも美術プロダクションのお仕事です。
それぞれのプロダクションのスタッフさんたちというのは、専属の社員の人もいますが、
いろんな会社の仕事を受け持つフリー契約の人も多いと思います。
また、大きなプロダクションの場合はこれら3つのプロダクション全部を兼ね備えたような会社もありますね。
関連記事:テレビスタジオのセットはどのようにして出来上がるのか
最初に入るならどんなプロダクションがいいか
では学校を卒業して最初に選ぶとしたらこれらのうち、どのプロダクションを選べばいいかについてです。
少し前まではテレビの仕事に就きたい場合は、専門学校に行ってからというルートが一般的でした。
専門学校には番組制作や、カメラ、メイク、美術、映画などの専門科があって、技術プロダクションや番組制作プロダクションに進みやすくなっていたのです。
美術プロダクションの場合は、専門学校のほか、美大を出た出身者が進むことが今でも多いと思います。
つまりテレビ番組制作プロダクションに入る人は専門学校や美大出身者が多かったのです。
最近は、番組のアシスタントディレクターや、ディレクターなどが所属する番組制作プロダクションは普通の4年制大学出身者がかなり占めるようになっていますが、
技術プロダクションに行く人はやはり専門学校出身者が多く、また美術プロダクションも専門学校や美大出身者が数多くいるようです。
やはり技術プロダクションや美術プロダクションの方がより専門性が高いからでは無いかと思います。
さてそんな中よくある悩みは、
「専門学校を卒業する予定だけど、技術プロダクションにいくか番組制作プロダクションに行くか迷っている」
というケースです。
弊社ライズプランニングを受けに来る学生さん達の中にも、
「照明の方にも興味があるので、技術プロダクションに行くか番組制作プロダクションにいくか今迷っています」とか
「カメラが好きなのでカメラの技術会社にしようか、アシスタントディレクターか迷っています」
と言う学生さんがいます。
確かにテレビの制作スタッフの中には、もともとカメラや写真が好きだったという人が少なからずいます。
お父さんがプロの写真家だという人もいますね。
あと多いのはイベント関係の会社に行くかテレビ番組の制作にするかの2択。
専門学校にはイベント系の学科を設けているところもあるんですね。
たしかにイベントの準備とか開催というのは、番組制作の準備と似ているともいえますからわからないでもありません。
このようにどんなプロダクションにするかを決めかねているような場合は、
正直なところ、まずはどこかに飛び込んでみて経験してはどうかと思います。
というのも技術プロダクションに行っても番組制作プロダクションに行っても
テレビの現場に接することができると思うので、ほかの仕事もおのずと目に入ってくると思うんですね。
アシスタントディレクターをやっていても、技術会社のカメラマンさんがやってきて仕事をしたりしますし、
照明として現場に入っても、ディレクターさんの仕事が見えるはずです。
ただ、番組制作のプロダクションの方がよりテレビ制作全般を見られるかもしれません。
大事なのはまず一歩を踏み出すことかなと。
やってみなければ良いのか悪いのか、自分に向いているのかいないのかもわかりません。
向いていないとわかればそれはそれで、方向性が見えてくるから良いですよね。
関連記事:番組制作会社の種類は大きく分けて2つある?就職する時どっちを選べばいいの?
途中でやりたいことが変わったら
誰でも最初から自分が何をやりたいかというのは決めにくいものだと思います。
ほとんどの人がそれぞれの世界を実際に体験していないからです。
そのためしばらく仕事をやっていくうちにちょっと違うなとか、現場を見ていてやっぱりカメラマンの仕事がやりたいとか
やっぱり番組ディレクターになりたい、と感じる人も出てくると思います。
そんな時はどうすればいいのかについてですが、
結論から言うと転職して良いと思います。
弊社ライズプランニングに来る人の中にも、元々はイベント会社にいましたとか
技術会社に行っていたのですがとか
という人がいます。
その理由はまちまちですが、同じメンバーで同じ番組を作りたいとか
ディレクターになっていろいろ企画したいなど。
ただ、美術系のプロダクションからの転職という人には今のところ私は会ったことがありません。
美術系はより専門性が強いということがあるように思います。
イベントや照明、カメラのようにちょっと似ているけど異なるプロダクションからの転職というのは比較的多いと思います。
最初にとことん考えるのももちろん良いと思いますが、入ってみて違うなと思ったらそれから再度考え直すのでも全然良いと思うんですよね。
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