撮影用のスタジオを探していたり、映像制作の見積もりを見たりすると、「ホリゾントスタジオ」「白ホリスタジオ」という言葉が出てくることがあります。
映像制作の初心者や制作を依頼するクライアント側からすると、耳慣れない言葉ですよね。
今回は白ホリスタジオとはどういったスタジオなのか、映像制作をするときに知っておきたいホリゾントスタジオに関する知識について解説してみたいと思います。
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白ホリスタジオとは
白ホリというのはホリゾントの略なのですがこれはドイツ語で水平線を表す「Horizont」を指しています。
壁と床の境界線が緩やかな曲線でつながっているという意味で、ホリゾントスタジオでは壁と床がシートのようなもの(バックペーパー)で覆われており、撮影すると境界線が曖昧になって無限の空間のような表現をすることができます。床と壁のつなぎ目がないことによって影ができにくいからそのように見えるんですね。
白ホリでは外光が入らないように遮断されているため、ライティングで光を作り上げていくのに絶好の撮影場所となっています。
古いスタジオではホリゾント専用塗料によって空間が作られているため綺麗にライティング効果が得られるようになっています。
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ホリゾントのアール、近年人気な直角ホリゾント
白ホリゾントスタジオを探していると、しばしば「R(アール)」言葉が出てきますがこのRは「radius(半径)」に由来しており、壁から半径距離の単位を指します。
正面のみがRになっている白ホリスタジオを1面Rと呼びますが、サイドがRになった2面Rや3面Rもあります。
珍しいスタジオにはなりますが、車の撮影などで使用する天井面にもアールがついているドームスタジオなどもあります。
この局面の基本的なサイズは600〜900Rですが、スタジオ全体の高さや奥行きによって曲面の大きさはそれぞれ異なります。
またRスタジオの他に直角ホリゾントというものもあります。
こちらはここ10年ほどで人気を集めているスタジオタイプで、特にファッション雑誌を中心に使われることが多くなっています。
直角ホリゾントの場合は壁のギリギリまで近づいて撮影を行うことができるのでバストアップの設営やテーブルでの物撮りなどで使われやすいです。
また白ホリ以外にも壁が黒い黒ホリスタジオや、クロマキー用グリー用にグリーンやブルーに塗られているスタジオもあります。
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ホリゾントスタジオとハウススタジオの違い
写真や映像の撮影に特化したスタジオは大きく分けて
- ホリゾントスタジオ
- ハウススタジオ
の2種類になります。
この二つはどのように違うのでしょうか?
白ホリは前述したとおり完全に遮光されたスタジオです。
照明機材の明かりを使用して明かりを作って撮影を行います。
それに対してハウススタジオは特定の条件に特化した建物や家具があらかじめ備え付けてあるスタジオです。
日本家屋、洋館、キッチン、庭など、自然光が使えるところで、シチュエーションシーンの撮影をするためのスタジオなんですね。
シチュエーション撮影のために毎回資材を手配してセットを組むということはできませんので、コストを抑えるために絵コンテなどで企画した内容に合うスタジオをレンタルして撮影することが多いわけです。
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白ホリスタジオの設備
外光を遮断しているホリゾントスタジオでは、明かりづくりのために照明機材を準備しているところがほとんどです。
白ホリスタジオでどのような設備があるのかということを紹介していきたいと思います。
照明機材
- 写真撮影専用のエレクトロニックフラッシュ(撮影の瞬間に強い光を発する機材)
- 常点灯機材
の2種類に分けられます。
照明機材の利用料金はレンタル料金に含まれる場合とそうでない場合がありますので、機材レンタル代がどれくらいかかるのかあらかじめ確認しておきましょう。
給電設備
照明機材を使用する場合大きな電力が必要となりますので専用の給電設備が備えられていることが多いです。
ホームページなので電気容量を紹介しています。
スタジオの電気容量を超えてしまうケースもありますので、スタジオの電気容量と持ち込みをする機材の消費電圧を確認しておきましょう。
バックペーパー・布バッグ
白ホリのスタジオで白以外の背景の撮影を行いたい場合はバックペーパーや布バッグを利用します。
スタジオの方で数種類用意されていることもありレンタルできる場合もありますが、買い切りになることもありますので料金を確認しておきましょう。
もちろん持ち込みもできます。
その他の設備
掃除用のヘアスプレーなどやほうきを置いているスタジオもあります。
また機材が途中でトラブルを起こした時のために基本的な設備機材を備えているスタジオもありますので、スタジオがどのような設備を備えているか撮影の前にしっかりと確認しておきましょう。
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白ホリスタジオを使用するときの注意点
ホリスタジオを使用する際、一番気をつけなくてはいけないことは、汚れや傷をなるべくつけないようにするということです。
白ホリスタジオを使用する際は、
- 靴の裏をきれいに拭く
- 靴を脱ぐ
- 撮影で使わない部分に関してはシートを敷く
- 必要以上に白ホリ部分に入らない
といった配慮をするようにしましょう。
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