今回は食べ物のCMについて、最近の食べ物の購入金額やその傾向、時代に伴う変化等、またどのような食べ物がCMに向いているかなどについて書いてみたいと思います。
食べ物の需要
食べ物関係のCMは多いように感じるかもしれませんが、食べ物の種類に比べると意外にCMされているものはさほど多くはないものです。
比較的多いのは
- コーヒー
- ビール
- 栄養ドリンク
などの飲料、それに
- チョコレート
- アイス
- クッキー
などの菓子類、
それに調味料類、冷凍食品などです。
しかもCMをしているのはその中のごく一部の商品に限りますし、素材となる野菜や果物、肉、魚そのもののCMはほとんどありません。
インターネットで食べ物の購入方法も変化しつつありますから、CMも変化していくのではないかと思っています。
まず現在の人々の食べ物の購入額の傾向ですが、
一回の買い物による購入額は3000円~5000円の人が約35%、1000円~3000未満の人も同じく約35%程度になっています。
ただしコンビニで買い物する場合は1000円未満の人が約半数近くいることがわかっています。
また家庭における食べ物の一カ月の購入金額は
- 4~5万
- 3~4万
- 5~6万
の順番になっており、月の食べ物に使う金額が5万円程度の家庭が多いことがわかります。
また食べ物の購入についてどんな不備や不満を感じるかについては
約半数の人は特にないと答えていますが、残りの人については
- 食べ物を購入する時間がない
- 店が近くにない
- 値段が高い
- 品揃えが悪い
というような不満を持っており、特に多いのは上記2つで不満を持つ人の約半数はその理由をあげています。
関連記事:CMの内容はどんなものにしたらいい?どういうタイプのものがあるか解説!
最近の傾向
最近の傾向としてどんな食べ物を買うのかの傾向が少し変化してきています。
「外で食べる外食」と「家で作る内食」に対し、作ってある食べ物を買って食べることを「中食」と呼びますが、昨今の新型コロナウィルスの影響もあり、この中食がかなり増えてきている傾向があります。
中食はもともと20代の若い世代と、75歳以上の高齢者が最も多く、中食の中心ともいえる弁当の購入も同様に20代と75以上が中心でしたが、家での食事が増えたことで世代を問わずその需要は増えてきています。
また家で作って食べる内食については既婚女性の約9割が内食をしていると答えているのに対し、
未婚女性は6割が内食、未婚の男性については週に1回程度が内食と答えた人が約半分で、未婚男性ほど調理済みの総菜やインスタント品を購入しているようです。
またこれは帰宅の時間も影響しており、17時までに帰宅する人ほど食べ物は内食、時間が遅くなるほど外食、中食が多くなるのは当然の流れでしょう。
さらに家族の人数も関係しており家族が多い、子供が多いほど食べ物に関しては家で作って食べる内食が多くなり、次に中食、外食は人数が増えるほど減ります。
食べ物の購入場所
では食べ物を主にどこで購入するかについてですが、
- スーパーマーケット
- コンビニ
- ドラッグストア、小売店、ネット
のようになっており、やはりワンストップで色々買うことができるスーパーマーケットが最も多くなっています。
既婚女性は週に2回から多い人では週に6回スーパーマーケットで食べ物を購入するのに対し未婚女性はせいぜい週2回程度。
またコンビニは主に20代~40代が中心で、最近はドラッグストアーも食べ物を置く店が増え、価格の安さから既婚女性の利用が増えてきています。
またネットで食べ物を購入する人も増加傾向にあり、その食べ物は
- 水
- 米
- シリアル
- 缶詰
- レトルト品
などが主で、これらの特徴は
- 賞味期限が長い
- 重い
- 定期的に買う物
という特徴があります。
平日は近場で特売品を買う、足りないものを買う、休日は車で大きいもの重いもの、フルーツ、牛乳、ヨーグルト、お菓子を買うという傾向もあり、
たべものこれは休日は子供や夫と一緒に買い物に行くため夫子供の欲しいものを買うということがあります。
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テレビで見る効果についてどう感じているのか
では食べ物を購入する際にテレビからの映像やCMはどのように感じられているのかについてですが、
次のような意見があります。
- 通販番組を見るとつい買いたくなる
- 新商品や新しいお店が紹介されると行ってみたくなる
- 便利そうな商品のCM等は気になる
- 料理番組を見ると作りたくなる
- テレビの影響で健康食品を買いたくなる
- 自分はテレビに影響されやすい気がする
- 身体によい、便利、流行りという言葉に弱い
- テレビで良いと言っていたらとりあえず食べる
- 地元のテレビ番組が地元のお店を紹介していたら嬉しくなる
など。
やはり言葉と視覚で入ってくる映像に少なからず影響を受けているということがわかります。
実際にCMの影響で食べ物を買ったことがあるという人は半数以上いると言われますし、
テレビCMの影響はあると思うと感じる人が実際に多いことは確かです。
おいしそうな食べ物を見るだけで人間の脳は視覚的に空腹を感じてその商品を食べたくなるということはよく言われることです。
だからこそおいしそうな食べ物のCM映像を作るわけなのですが、15秒、30秒のCMというのは数多くどんどん流れてきます。
そのため、視覚的に食べたいと感じた脳のイメージは次々と上書きされてしまい、必ずしも残るとは限らないのが実際のところです。
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効果的な食べ物のCM
食べ物のCMを制作する場合、おいしそうに見えるように撮るというのはすでに当たり前のことなので、それ以外でインパクトを残すにはどうすればいいのかについてですが、
ある食べ物に関する調査によると「食べ物を買う時に何が気になりますか」という問いに対し
- 健康に良いものを食べたい
- 栄養バランスの良いものを食べたい
- カロリー、塩分、脂質が気になる
- 値段が気になる
- 値引きしてあるものが買いたい
というような声が聞かれました。
そこでおいしく見せる映像の他に、「何かしら身体によいという文言」、
たとえば「野菜を加えて栄養価も抜群!」「バランスよい食事のために!」「すべて国産!」の文言をいれたり、CMに生産場所をさりげなく見せて安心してもらう、
「この美味しさでこのお値段!」と安さをなんとなくアピールするなど、おいしさ以外のこともうったえるようなCMを作るのが効果的でしょう。
また買い物の不満にあった時間がない、近くにない、を解消する手段として、重いもの、かさばるものはネットで購入する傾向が今後もさらに増えると思われます。
そのため水、米、シリアル、缶詰、レトルト品はCM効果が他の商品に比べ大きくなるでしょう。
ネット購入の場合場所を問いませんから、全国でCMをする必要はなく、お試しである地域だけでやってみることもできますので、費用もそれほどかからずできます。
特に米などは必ず買うもので重いので、最近CMが増えつつありますが、CMの効果はかなり見込めると思います。
さらに野菜、魚などの素材・生鮮品についても現在は産地直送CMなどはまだほとんどありませんが、これからCMで売り上げが伸びる食べ物ではないかと思います。
食べ物は人間の根本で常に興味を持たれる分野です。
そして最近の生活の変化とともに食べ物関係のCMはまだまだ開拓余地のある分野だと思います。新たな食べ物CMの開拓を期待したいです。
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