2016年10月19日にテレビのネット同時配信のニュースが伝わりました。
実際の施行は2019年ですが、テレビ業界にとってはついに……という思いでしょう。
NHKは受信料を必ず徴収できると喜んでいるのかどうかは知りませんが、民放、とりわけ地方局は試練と言われています。
ネット同時配信は本当に地方局の試練なのでしょうか。
ネット配信における地方局の課題
テレビ放送はネット配信に変わるのかでも書きましたが、
これまでネット配信をしないテレビ局にとってインターネットに誘導するCMが増えることは、
収入にはなるけどテレビ視聴者が減るもとになるというジレンマがありました。
これだけパソコンやスマホが身近になった今テレビのネット同時配信の決定は遅すぎたくらいでしょう。
とはいえ、総務省がその決断をしたことは大きいと思います。
いずれそうなる流れなので。
地方局は自社制作番組は多くて20%前後
それ以外は主に系列のキー局(東京都テレビ局)から番組をもらっています。
(実際にはただもらっているわけではないのですが。)
地方のテレビ局とキー局の関係についてはこちら:独立U局と民放系列局の違い
各テレビ局は自分の地域のスポンサーを獲得していたので、住み分けができていたとも言えます。
ところがキー局が番組をネットで同時配信をすればこれまで地方局で流していた番組のうち約80%についてはキー局が流すネットで見ることが可能になるということです。
これは確かに地方局にとって試練かも知れません。
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地方局がネット配信で得すること
ただ、これにより、鹿児島の人が北海道のローカル番組を見ることも可能になります。
今まで見られなかった「地方局の番組を見たい」という人は潜在的に非常に多いと私は思っています。
なぜなら最近テレビ離れが進んでいる理由の一つが「おもしろくない」であるから。
せっかくいい電波があるのに、番組がおもしろくない。
クイズはもういらない、お笑いタレントに頼りすぎ。
こんな声を何度も聞きました。
私もそう思います。
全国版の番組は特に規制が厳しく、どうしても各局横並びで似たような番組創りに走りがちですが、ローカル番組は地元密着型の番組や、個性的な番組が多いのも事実。
そこに大いに期待をすると思います。
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これからはコンテンツ内容が今より格段に求められる時代になるでしょう。
番組を選ぶ時代ですから。
ただ、バブル期の頃のようなお金をかけて作るようなコンテンツの高さだけが求められているわけではありません。
時代に合ったコンテンツを作っていけば良いと思います。
バブル期は予算があんなに降りたのに、と嘆く制作会社の重鎮の声をよく聞きますが、
むしろその頃が異常だったかもしれません。
お金をかければいいものができるのは当然ですが、
視聴者はどんどん変わってきているのですから、時代に合ったものを作っていけば良いのだと思うんですよね。
個性的な番組にどんどん出てきてもらいたいです。
そういう意味では逆にチャンスだともいえるのではないでしょうか。
ピンチはいつもチャンスと背中合わせですよね。
地方局はこれまでどんなに頑張っても、自分の管轄内のスポンサーを取るのが精一杯でしたが、ネットの世界ではその可能性は全国に広がります。
個性的な番組を作り視聴者をつかめば、それが札幌発信でも東京や、九州のスポンサーが付くなど幅は限りなく広がるでしょう。
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変わっていく必要がある
広告業界にも変化が起き、ネット配信によりCM枠が広がりますから、
これまでテレビCMができなかった中堅どころの企業の需要も増えるのではないかと思っています。
チャレンジは必須、チャレンジすらしない場合は衰退になってしまいます。(これはテレビ業界に限らずの言葉ですが)
映像制作に携わる人たちは腕の見せ所ではないかと思います。
個性的な番組が数多く出てくることを期待したいです。
テレビ番組がどんどんネットに移行することによって、視聴率の計測の仕方や、広告のあり方も変わっていかなくてはいけないですね。
ただ、広告を出すに当たっては、テレビとネットを同時に並行させることによって大きな宣伝効果を得ることもできます。
ネットにはない信頼感を出すにはやはりテレビというものの存在は偉大です。
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宣伝したいものに合わせた広告手段をご提案させていただきますので、お気軽に下記フォームよりお問い合わせください。
では今日はこのあたりで。