テレビ番組のほとんどはテレビ局が主体で企画・制作していますが、
中にはスポンサーが企画・制作した番組を電波枠を取って放送するというやり方があります。
これはスポンサーの持ち込み番組とよばれます。
持ち込み番組は少なく特にキー局ではほとんどありませんが、
地方局では時々見かけます。
普通の番組と持ち込み番組の違い
通常のテレビ番組はテレビ局で作られます。
厳密には制作会社に委託して作っている番組も多いのですが、いずれにしても
- どんな番組を作るか
- 期間を半年にするか
- 特別番組にするか
などは、基本的にテレビ局で決めていきます。
では【持ち込み番組】と言うのは通常の番組と何が違うかというと、スポンサー企業が自社で番組を作り、それをテレビ局に持ち込むというものです。
持ち込み番組のメリットとデメリット
スポンサーが制作から頑張って番組を作る、持ち込み番組のメリットとデメリットは何なのでしょうか。
それぞれ説明したいと思います。
スポンサーの持ち込み番組のメリット
スポンサーが作りたい番組を作ることができる
まず一番のメリットはスポンサーの企業が作りたい番組を作ることができることでしょう。
通常は番組のスポンサーになる場合、テレビ局が作る番組からスポンサーになりたい番組を選びます。
この方法はCMの中でもタイムCMと呼ばれるものですね。
詳しくはこちら:番組のスポンサー【タイムCM】とは
スポンサーは番組に複数つくことが多いですし、必ずしもスポンサーになりたい番組があるとは限りません。
しかし、持ち込み番組の場合スポンサーが作りたい番組を作ることができるのです。
- 旅行会社であれば、日本の名湯を巡る旅番組
- 不動産会社であれば、不動産投資講座の番組
- 冷凍食品の会社なら、料理番組
などスポンサーが自社製品に結び付けるような番組を作ることができるというわけです。
また、スポンサーは自分の会社なので、自社のCMを番組の途中や前後に入れるわけです。
旅番組を見てその場所に行きたくなった時に、前後に旅行会社のCMが流れていたら、その旅行会社に申し込みたくなる可能性は大きいですよね。
イメージアップ
またスポンサーになる企業ののイメージアップをはかりたい時も、持ち込み番組は有効です。
例えば農薬会社が農薬の安全性や必要性をもっと知ってもらいたいと思いドキュメンタリー番組を作るとします。
農薬は何かと悪者にされてしまう傾向がありますが、実は医療よりも厳しいチェックを必要とする場合があります。
現場の研究者はとても努力して人体に影響の無い製品を作っているというのを、ドキュメンタリー番組で放送すると農薬のイメージはずいぶん変わるはずです。
現に農薬はとても厳しいチェックの元作られているのです。
また持ち込み番組により、それを作っている会社、つまりスポンサー企業のイメージアップとなり、結果売り上げも上がるというわけです。
ドキュメンタリー形式の番組というのは人の心に訴えかけますので、多大な信用・信頼を売ることができるのです。
関連記事:テレビcmの効果には「信頼」もある
現場で働く人達の努力の映像や、工場の様子、伝統を受け継ぐ職人さん達の技を紹介するなど、ドキュメンタリー番組の作り方は様々ですが、
短いCMが「知ってもらう」という認知を目的としているのに対し、
ドキュメンタリー形式は人の心に訴えて信頼を得るという異なる効果があります。
よく、テレビ局が作る番組で医療の現場を扱うものがありますが、このような番組に出てきた医師は絶大な信頼を得ますよね。
嗜好品と異なり、健康や体に直接関係するものほど、信用は大事ですので、医療関係は特にドキュメンタリー番組の効果が大きいと言われています。
サプリメントや健康食品を扱う会社がよくドキュメンタリー形式の長尺CMをやるのはそのためです。
関連記事:CMの手法はどんなものがあるか?
放送時間・放送回数・その後の使用方法が自由
持ち込み番組を何分の放送時間にするかは基本的に作るスポンサー企業の自由です。
5分の放送時間にするのか30分にするのかスポンサーの都合で決めることができます。
また放送回数も自由です。
まずは一回だけやってみるとか同じものを数回、放送するなど会社の予算や都合で、検討できます。
帯(毎週一回同じところで流す)にして毎週一度5分番組で流すこともできます。
(ただし、電波の枠を取る都合上、15分とか、20分というような微妙な長さの時間は取りにくいです)
帯の場合は3カ月だったり、6ヶ月だったり、それはテレビ局との相談になります。
関連記事:テレビの枠にはどんなものがあるのか
また作ったドキュメンタリー番組は何度も使うことができます。
通常テレビ局で作る番組というのはテレビ局で版権を持っています。
そのためスポンサー企業が勝手に録画して配ったり、勝手にWEB常に載せて使用することができません。
それに対し、スポンサーの持ち込み番組の場合は会社の出資で作るので、版権は作った会社になります。(番組内にタレント等を使う場合はタレントさんの版権はありますが)
だから一度番組を作ると、自由に使えるんですね。
いろんなテレビ局を選んで、今度はこちらの地域で流してみようとか、このテレビ局を使ってみようとか、できるわけです。
また、インターネットに上げたり、DVDにたくさん焼いて、お客様に宣伝として渡すなど、その後の使用方法が自由なのです。
何よりテレビで放送したという事は大きな信用になりますよね。
スポンサーの持ち込み番組のデメリット
スポンサーの持ち込み番組は良いことばかりではありません。
現に持ち込み番組というのはあまり多くないのも事実です。
スポンサー持ち込み番組のデメリットとはなんなのでしょうか?
費用がかかる
しっかりとしたドキュメンタリー番組を作るにはそれなりに費用もかかります。
よく、たまたまテレビ局が取材に来てくれて番組が放送されることがありますが、その場合は費用は全くかかりません。
それに対し、スポンサーの持ち込み番組は自分の会社で番組を作るのですから
- 台本
- カメラマン
- 撮影スタッフ
- 編集作業
など一連の工程が必要なのでそれなりに費用がかかります。
ただ、5分番組などは短いので撮り方次第でそれほど費用をかけなくても可能ですし、先に出た不動産の投資講座などは同じ場所で撮影するだけなので、費用もさほどかかりません。
5分でもしっかりした内容の番組を作ることは可能です。
金額的なことは、大まかなところですが、簡単な番組なら数十万、30分のドキュメンタリーだと数百万くらいで作ることができます。
旅行番組になるとその場所にスタッフ達が全員行って撮影しますからそれなりにかかりますが、いずれにしてもいろんな作り方があるという事です。
ライズアドバートではドキュメンタリーもお作りしておりますので、作り方からすべてご相談させていただきます。
電波枠を取る必要がある
番組を放送するためには電波の枠を買わなくてはいけません。
テレビCMの場合は基本15秒ですが、持ち込み番組の場合5分、30分、60分など、どうしても時間が長くなるので、それなりに枠取りの費用もかかります。
ただし、これもテレビ局によります。
人口の多くない1県は電波料も安いですから、地方局であればそれほど高くありません。
関連記事:新商品のCMを地方局からやると効果的?
またBSなども高齢者には人気がありますし、全国放送ですから番組内容によっては合っていると思います。
いずれにしても15秒CMのように数を多く流すものではないので、基本的には回数は少なくなってしまいます。
番組を流せないテレビ局もある
番組を作っても全国どこのテレビ局も流せるかというとそういうわけではありません。
たとえば東京のキー局は、全国放送やローカル(関東)放送などの番組編成がぎちぎちに詰まっていて、スポンサーの持ち込み番組が入る余裕がほとんどありません。
持ち込み番組を受け入れてくれやすいのはやはり地方局中心、とキー局のBS各局でしょう。
全国のテレビ局について詳しくはこちら:全国のテレビ局について解説。
まとめ
スポンサーの持ち込み番組について書いてみましたが少しだけお分かりいただけましたでしょうか。
持ち込み番組は様々な番組形式が可能ですが、特に効果的なのは人の心に訴えかけるドキュメンタリー形式だと思います。
- もしテレビCMとは異なる方法で企業イメージを上げたい
- 職人技術を世の中に知ってもらいたい
- 町おこしの番組を作って観光誘致したい
- 公益団体の活動を知ってもらいたい
- 老人ホームその他施設の良さをアピールしたい
などありましたら、方法・手法は様々あります。
弊社ライズアドバートはもともとドキュメンタリー制作会社から始まっている会社なので、企画から制作、枠取りまで一貫してお手伝いさせていただきます。
ご興味がございましたらぜひ下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。
では今日はこのあたりで。