今回は全国でCMを投下する場合のおおよその費用について書いてみたいと思います。
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CMを全国に流す3つの方法について
CMを全国に流す費用はその方法により異なってきます。
まず方法とは主に3つあり
- 全国ネットと呼ばれる全国枠でCMをする。
- スポットCMで全国に流す。
- BS、CS等の衛星放送を使って全国にCMする。
になります。
全国ネットについては東京キー局が管轄局となっており、主として朝や夜のゴールデンタイムの番組が対象で、人気番組がほとんどです。
キー局のみに納品すればいいので、手間的にはそれほどかかりません。
また全国ネットは提供型のタイムCMとなっており、通常この全国ネット枠は費用も高額で大手企業がスポンサーに入ることが多いでしょう。
2番目のスポットCMで全国に流す方法は、各地のテレビ局に個々に依頼し、結果として全国にCMをするという地道なやりかたです。
費用は県ごとに変えることも可能。
そのため全国ネットに比べ費用を抑えて全国CMを投下することもできますが、スポット型のCMのため番組を指定することはできませんし、
また各地のテレビ局とのやり取りが必要になるので、かなりの手間がかかります。
CM素材も放送するテレビ局分必要ですので、全国ネットとは別の費用もかかってきます。
3番目のBSやCSを使った全国CMは衛星から電波を流すため一度に全国にCMを投下することが可能(上記2つの方法は近い電波塔からの配信)。
現時点では費用的には最も安く全国CMすることができる方法でしょう。
ただし、視聴率は地上波に比べかなり低いです。
関連記事:全国CM3つの方法とメリット、デメリット
全国のテレビCM費用について
地上波全国ネットCMの場合の費用
地上波の全国ネットの場合のテレビCM費用についてです。
全国ネットは基本的に視聴率が高めの番組が多いのですが、そうでもない番組もあります。
そのためCMの費用も非常に幅がありますが、おおよその目安としては視聴率が少ないところであれば一カ月300万程度~。
基本的に2クール(6か月)になりますので、その場合300万×6=1800万~となります。
早朝4時台~5時台に全国ネット枠を設けている局もあり、早朝ということもあり1ヵ月300万という場合もあります。(番組編成は頻繁に変わりますのであくまで目安です)
朝や夜のゴールデンタイムの全国ネットになるとその費用は月額1000万円(月に基本4本)を優に超えてきます。6か月続くと優に6000万円以上になります。
よく年間のテレビCM費用が数億~十数億と言われるのは、視聴率の良い人気の番組に流している場合です。
更に地上波の全国CMともなると有名タレントを起用し、制作方法も凝ったものになることが多く、CM制作自体にもかなり費用をかけますので、全体として高額なCM費用となるわけです。
また全国ネットのCM枠は早くに埋まってしまうことが多く、例えば4月の大きな番組改編については1月頃にすべて埋まってしまう場合もあります。
競合他社は同じ番組に入れないこともあり、早めに動かないと希望の番組には入れないでしょう。
とはいえ、ぎりぎりになっても枠が空いていたり、場合によっては安くなっていたり、また1ヵ月だけの切り売りをしている場合もありますので、必ずしも数千万単位の費用が無くても全国CMはできます。
こちらは広告代理店に相談すると良いと思います。
CM自体のクオリティについても必ずしも有名タレントを使う必要はありませんし、凝った映像にする義務もありません。
決められた形式になっていれば問題ないので、もし余裕があれば試してみるのも良いのではないでしょうか。
スポットで全国にCMを流す場合の費用
スポットで全国にCMを流す場合は県ごとに(テレビ局ごとに)投下する費用を決めなければいけませんので、なかなか決めることが多くなります。
例えばの例ですが、ある企業の場合は短期で全国にCMをしたいため、スポットでCMを流すことになりました。
その時の予算は約2億。
予算配分としては首都圏を中心とした関東を最も厚くしたいとのことだったので
- 関東…1億5000万
- 関西…1500万
- 東海…800万
- 北海道・福岡…200万
- 上記以外…100万
というような配分で、テレビ局の選定については関東は全局、それ以外は基本2局でした。
このようにスポットの全国CMの場合は、どの県に厚くCMを投下するかを考えて費用配分をすることもできます。
2億の予算は一見多く見えますが全国に費用を配分すると、特に地方についてはそれほど多いわけではないことがわかるのではないでしょうか。
ただしスポットCMについてはもっと少ない費用でも出稿が可能なので広告代理店と相談して決めていくとよいでしょう。
関連記事:地方のテレビCMは30万円からできる?やれることを紹介します
BS、CSで全国にCMを流す場合の費用
最後にBS、CSで全国にCMを流す場合の費用についてですが費用的には最も安く全国CMが可能です。
BSは視聴者の年齢が比較的高齢なので「ニュース」の他、「時代劇」や「韓流ドラマ」に力を入れている傾向があります。
例えばですが、BSの場合ドラマのスポンサー型CM(タイムCM)に入ると月額費用が150万~200万程度(基本週1本)。時間帯によっては100万~120万程度の費用でも全国CMが可能です。
またBSのスポットCMの場合は地上波と違いすべて全国放送になりますのでエリアを選別する必要はなく、またCMは1本単価となり、その費用はおおよそですが、7万円前後~(1本)。(ただし時間帯、時期により変動します。)
CSについてはゴルフチャンネルやスポーツチャンネルなど特化したチャンネルが多く、例えばゴルフチャンネルなどは15秒のスポットで2万円程度(1本)~可能です。
全国CMの中では費用だけで見れば最も安く出稿できます。地上波に比べ視聴者がかなり少ないのですがターゲットにぴったりと合う場合もあると思います。
関連記事:テレビCM、100万円あったらどんなことができる?
最近のネットショッピングの商品を全国CMする場合
かつては全国CMと言えば洗剤や、医薬品、食材、車など大手企業のCMが代表的でしたが、最近はインターネットのおかげでさほど大きくない企業も全国でCMをしたいと望まれるケースが多くなっています。
そこでネットショッピングできる商品を全国CMする場合のターゲットと費用について少しだけ考えてみたいと思います。
ある調査によると全国のネットショッピングで商品を購入する人の割合は東京が最も高く約60%、次に神奈川県の約55%、愛知、埼玉が約50%のように続いており、全国平均としては約45%の人が利用していると言われます。
確かにネットショッピングを利用する人は増えてきました。
また世代でみると、ネットショッピングを最も利用しているのは10代~20代の若い世代で、月に複数回利用する人も多いようです。
これに対して60代以上の世代については約7割もの人が使ったことが無いとのこと。
この結果を見るとネット系商品の全国CMをするのなら視聴者に高齢者が多いBS、CSではなく、地上波の人気番組がやはり適していると言えます。
一方でネットショッピングを利用する人の費用的なところを見ると、最も多いのは50代~60代で月額約3万強。
80代も同様に3万円、30代も約3万円となっており、若い世代ほどネットショッピングの利用額は少なくなることがわかります。
- 10代~20代は利用回数は多いが費用は少なめ。
- 50代~60代は利用回数は少ないが費用は多め。
ということです。
このことから高齢者が好む商品であれば、必ずしも地上波の人気番組で全国CMをするのが一番良いかというとそうでもなく、BSやCSで全国CMをする方が費用対効果としては有効かもしれないということが見えてきます。
このように全国CMもやり方次第で費用はかわりますので、それぞれの商品に合った方法を見つけていくと良いのではないでしょうか。
関連記事:関東ローカルでCMをするのはどんな企業?全国ネットとの違いは?