テレビは無料で見ることができるのに、どうやって収益を上げているのか?
みなさん不思議に思ったことはないでしょうか。
今回はテレビ局がどのようにして収益を上げているのか、ということを解説していきたいと思います。
広告収入
民放局の主な収入源となっているのが広告収入です。
テレビは無料で見ることができますが、テレビ番組の間にはCMが挟まれていますよね。
そのCM枠を企業に買ってもらうような形で収益を上げているのです。
テレビ放送というのは国に認可を得て行なっている許可事業で、どんな時も公平な放送を心がけなくてはいけないので
特定の広告主と直接テレビ局がやり取りをする、ということはありません。
そこでテレビ局と広告主の間をとりもつのが広告代理店です。
テレビCMを出したい、という企業はまず広告代理店に相談をし、そこから内容を詰めて
広告代理店経由でテレビ局のCM枠を確保します。
視聴率が高い番組、つまりたくさんの人が見ている番組ほど広告宣伝効果が高いですから、
番組制作側も番組の視聴率を上げようと努力します。
番組の視聴率が上がれば、より高い金額で広告枠を買ってもらえるようになり、
番組の予算が上がって、番組制作で出来ることの幅が広がるんですね。
このように、広告を挟むことでユーザーにコンテンツを無料で届けている、というものは世の中にたくさんあります。
例えばスマホで無料のアプリゲームなんかで遊ぶ時。
ユーザーは「広告が入ってうざい!」と思うかもしれませんが、その広告による収入があるからこそ、そのゲームを運営していける、という仕組みになっているのです。
関連記事:TV番組の企画は誰が考えてるの?
受信料
受信料を主な収益源としているのはNHKです。
民放とは違って、NHKではCM枠がありません。
なので広告収入で収益を上げているわけではないんですね。
その代わり、国民から受信料、という形で料金を徴収して収益を得ています。
民放とは違い、国民から受信料を徴収しているので、広告主に依存しない、安定した収益を得られていると言えるでしょう。
全国どこでも視聴できるように47都道府県に局を持っています。
民放局とは規模が全然違うんですね。
このことを念頭において、ぜひ民放番組とNHKの番組を見比べて見てください。
NHKは到底民放の番組予算ではできないような番組を制作していることがわかると思います。
例えばよく動物のドキュメンタリーをやっていたりしますが、あれは番組を制作するのに下手すると数年単位で時間を費やしていたりします。
動物の貴重な映像をカメラにおさめる、というのはとても大変なことで、偶然と奇跡を待つしかないようなところがありますからね。
撮れ高があまりよくなければ、そのままお蔵入りになることだってあります。
一方民放番組であれば、一つの番組を作るのに長くても大体数ヶ月程度しか時間をかけられません。
もちろん例外もあると思いますが、それほど、番組に費やすことができる時間にも差が出てきてしまうのです。
関連記事:NHKと民法テレビ局はどう違うの?
視聴料金
基本的にテレビは無料で見られるものですが、中には視聴料金を支払わないと見ることができない有料のチャンネルもありますよね。
- スカパー!
- WOWOW
というような衛星放送の有料チャンネルや
- Hulu
- Netflix
などのインターネットテレビも最近は加入者がどんどん増えています。
こういった有料チャンネルは、月額で視聴料金を徴収することで収益を上げているので、
基本的には広告を挟まず、ユーザーも快適にコンテンツを楽しむことができるようになっています。
さらに、電波が届きにくいところや専門チャンネルを見たい、という人はケーブルテレビを契約している人もいるでしょう。
好きなジャンルの番組をより楽しみたい、という人は、こういった月額課金制のチャンネルを使っている人が多いですね。
関連記事:テレビ放送の種類。地上波?衛星?有線?
ライツ
ライツ、というのは英語で「権利」という意味です。
テレビ局が制作した番組の権利を二次利用することで得る収益のことを指します。
例えば海外にコンテンツを輸出したり、番組のDVDやグッズを販売することで得る収益です。
特にアニメ事業は海外輸出も多く、テレビ東京などはDVD化、グッズ化にも力を入れています。
関連記事:テレビ番組制作をする時に知っておきたい著作権について。
その他の事業
テレビ局の事業について調べてみるとわかることですが、
実はテレビ局は放送事業だけを行なっているわけではありません。
特に民放企業は、収益のほとんどを広告収入に頼るような形になってしまうので、
多角的な事業を行なっているところが多いです。
- フジテレビの都市開発事業
- 日本テレビのスポーツクラブ事業
- テレビ東京のEC事業
などです。
こういったことも、テレビ局に興味があったら調べてみると面白いかもしれませんね。
関連記事:テレビ業界の採用時期と就活のために持っておくと良い知識。
では今日はこのあたりで。
