就職活動でテレビ局やテレビ番組制作会社に内定をもらっていても、親や身近な人たちからのアドバイスで内定辞退してしまう。
そして別業種で働き始めたものの、やっぱりやりたいことを仕事にしたい、とテレビ業界に転職されるケースがあります。
しかし、転職してから「これがやりたかったことなのだろうか?」「適正がないのでは?」と再び迷う人も少なからずいます。
せっかく、遠回りしてやりたい仕事に就いたのに、これでよかったのだろうか、とならないために、転職前に知っておくべきことを書いてみました。
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テレビ業界への転職は早いほうがいい
テレビ業界の場合、転職は早くするにこしたことはありません。
求人募集に年齢を制限することはできませんが、既存のスタッフとの兼ね合いをはかっていることが多くあります。
ディレクターとADが同じ年齢あるいは、ディレクターの方が若くてもやっていけるかどうか、という点が心配されます。
転職しようかな、と思ったら、転職活動をスタートさせることです。マッチした仕事があれば、それも縁だ、と流れにのってしまうのがよいのではないでしょうか。
もし、すぐに転職先が見つかったから、今回は逃してもまた見つかるだろう、と思わないこと。
なぜなら、そのタイミングがあなたの人生でいちばん若い時だったから、すぐ見つかったに過ぎないのです。
関連記事:テレビ業界でディレクターとして働くのに年齢は関係あるのか?
給料は…下がることが多い
テレビ業界への新卒就活した経験があれば、給料や福利厚生など知っていることと思います。
なぜ、ほかの業種を選んだのか。
その理由の一つは、テレビ業界のお給料がほかの業界よりも下回っていたことかもしれません。
テレビ局や一部の制作会社を除くと、そう高くはありません。
残業手当も数時間分がすでに基本給に含まれているケースが多いです。
他業種で2、3年の勤務経験があっても、番組制作ではアシスタントディレクターからのスタートになるので、新卒の額面とさほど差異はありません。
大手企業から転職される場合、年収は今よりも下がる、と思っておきましょう。
同業種内での転職の場合は、それまでの経験やスキルが活かされるため、収入アップが見込まれますが、異業種からの転職では新人からのスタートと思っていたほうがいいかと思います。
働いた経験があれば、自分にとっての働くモチベーションは何なのか?が分かっていることでしょう。
そのモチベーションは収入だけではない、と気づいた人は多少ダウンすることも念頭にいれて流入しています。
働き始めて2、3年たつと、このまま今の仕事を続けていくのか、それともやりたかったテレビ制作へ転職するのか、悩んでいる方は多いです。
関連記事:芸能人に会いたいからテレビ関係の仕事を目指す人も多い。
ADになったら節約できること
ADになったら、使わずにすむ予算もあります。
例えば、衣類。
アシスタントディレクターの服装は、会社勤めよりもカジュアルです。
学生時代や休日に着ているもので事足ります。
革靴はスニーカーに。
カバンはザックに。
クリーニング代も不要になりますから、身につけるものは会社員時代よりもお金をかけずにすみます。
関連記事:テレビADはどんな服装で仕事をしているの?スーツを着ない仕事。
働き方改革はどうなっている?
働き方改革は制作業界にも浸透していますが、どの番組も暦通りに動いているわけではありません。
番組は土曜日、日曜日にも放送がありますし、その中には生放送もあります。
生放送の担当になれば、出勤せねばなりません。
月曜日の生放送を担当する場合も、土曜日日曜日は仕上げ作業をしたり、放送の準備がありますから、これも出勤の可能性があります。
しかし、制作会社や番組にはシフト調整をするプロデューサーがいますから、休みは必ず取らせてくれますし、過重労働にならないようにスケジュールを組んでくれます。
仕事中にケガをしたり、病気になったら?
アシスタントディレクターの仕事は、ロケハンやロケなど、活動的な仕事が多いのですが、ケガをしたり事故にあったりする確率は内勤の仕事と比べても多いわけではありません。
万が一ケガをしても、通常の会社と同じですから、労災でカバーしてくれます。
もし、業務中あるいは通勤途中に医者にかかるようなことが起きたら、会社に連絡をして指示を受ければ大丈夫です。
いざ、そういうことがおきると、誰に連絡すればいいか、と悩んでしまう人がいます。
連絡するのは、自分が所属しているチームや番組の直属のプロデューサー。
連絡しづらい、混乱してどうしていいかわからない場合は、同僚でもいいし、一緒に行動をしているディレクターでも構わないので、チームの誰かに連絡をとります。
スキルアップするためには?
アシスタントディレクターからディレクターへ早く昇格するには、自分でできることを増やすことです。
例えば、一人で撮影できるようになる。
カメラの種類も多彩になっていますから、どんなカメラも操作できるようになる。
編集ソフトを使いこなせるようにする。編集のセンスを磨くといったことが必要です。
そうした技能を身に着けていくことと、プロデューサーやディレクターはもちろん、出演者や取材者との関係を築いていくことです。
なにか一つの分野で構わないので、得意なテーマや好きなテーマを見つけておくと企画につながっていきます。
関連記事:テレビ番組の企画は誰が出して、どうやって決まるの?
ディレクターになったら…
念願のディレクターになるのは、3年目から5年目くらいが目安です。
ディレクターになっても、自分ができることを増やすか、あるいは、得意な分野を突き詰めるか、のどちらかです。
ディレクターにもいろいろな現場があります。
- 例えば生放送なのか収録なのか?
- 出演者は芸人なのか、素人なのか?
- バラエティなのかドキュメンタリーなのか?
- スタジオなのかロケものなのか?
アシスタントディレクターの間に、いろいろな番組、いろいろな現場に立たせてもらって、自分が楽しいと感じる現場や、こういう人たちと一緒にやりたい、ところを積極的に探します。
同じ傾向の番組を割り振られる場合もありますが、それが向いてるからかもしれません。
周りの人が、このタイプの番組はあいつだろう、と思われているなら、それに乗っかって自分のものにしてしまうのです。
あまり好きではないテーマだな、と思っても、取り組んでみると好きになっていったり、詳しくなったりすると面白みが出てきます。
ディレクターのその先は…
ディレクターになったら、仕事がある限りはディレクターを続ける人が多いです。
仕事がある限り、というのは、番組のプロデューサーから仕事をふってくれるということ。
ディレクターが企画しても窓口は開かれていますから、自分で仕事を作ることもできます。
仕事を作る方が得意な人は、プロデューサーに転身したり、プロデューサー兼ディレクターになる人もいます。
教えるのが得意な人は、大学や専門学校で先生として招聘されることもあります。
制作会社から独立して自分の会社を起業する人もいますし、地方に移り住んでその地域の情報発信をする人もいます。
続けていく限り、仕事がなくなることはありませんが、プロデューサーたちが引退すると仕事が途切れる可能性もあります。
後輩のアシスタントディレクターがプロデューサーとして開花することもあります。
自分よりも若いから、スキルがないから、出来ないからといって排除するのではなく、育てたい、協力したいと接することが長く続けていくコツです。
関連記事:フリーランスでテレビディレクター!やっていけるものなの?
転職しようとしたらネガティブ情報しか見なくなった
制作会社や放送業界はネガティブなイメージが根強くあります。
払拭しようとしてもできません。
仕事の内容や役務、同僚に不満がある人はどこにも言えなくて、ネット上で発散するのはどの業界も同じです。
いい仕事、いい同僚に恵まれるかどうかは、誰にもわかりません。
合わない仕事や現場についてしまったら、自分が合うように考え方を変えるのか、それとも仕事や現場を変えてもらうのか、のどちらかです。
まずは、自分が変われるかどうか、何をすれば変わるのかを考えて、それでもどうしようもなければ、変えてもらう相談をします。
その場合、好きか嫌いか、合うか合わないかではなくて、自分が成長できるのかどうか、学べることはあるかどうか、という視点ももってみることをおすすめします。
転職を考えているときは、悩みますよね。
転職したら、こんなはずではなかった、と後悔するかもしれません。
でも転職しなかったら、あの時転職すればよかった、と悔やむものです。
テレビ業界に転職を考えているなら、活動してみるとそれまでにはわからなかったことが詳しく知ることができます。
実際に転職するかどうかは、活動してから決めてもいいと思います。
やりたい仕事をやってみる。それもいいのではないでしょうか。
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