弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっていますが、テレビ局で番組制作のお仕事、というとどういうお仕事をするのか、なかなか外からだとわからないものです。
ADはアシスタントディレクターの略で、ディレクターのアシスタントということになるわけですが、その仕事は多岐にわたります。
ディレクターがどのような演出をつけたいのか、という思いを汲み取り、それに対してどんな準備が必要か、ということを考えて、指示された内容だけでなく、プラスアルファして動いていけると自ずと評価も上がっていくでしょう。
周りのディレクターからの評価が上がっていくことによって、ディレクターとしての道が開かれていきます。
とにかくアシスタントディレクターとして経験を積み、仕事を覚えていかないことにはディレクターにはなれません。
そんなアシスタントディレクターの腕の見せ所が「仕込み」です。
今回は仕込みの仕事について解説してみたいと思います。
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仕込みとは
仕込みとは、番組惚気や収録前の準備のことを指します。
ロケに行くのか、スタジオで収録をするのか、そしてどのような番組なのか、といったことによって仕込みの内容は変わってきます。
番組を制作するためにとても重要な作業ではあるのですが、
テレビの煌びやかなイメージとは異なり、地味で気の遠くなるような作業をしなくていけないこともあります。
ロケとスタジオで共通して行うこと
まず、ロケとスタジオ、どちらの撮影でも必要な仕込みについて見てみましょう。
技術や機材の発注、衣装・小道具の手配
テレビ局で番組制作をする場合でも、テレビ局に全ての撮影機材があるわけではありません。
手元に無い機材に関しては機材レンタルショップに発注をしてレンタルをします。
また、技術クルー(カメラマンや照明、音声などのスタッフ)も外部に依頼することも多いです。その場合の発注もADの仕込みのうちです。
また、出演者の衣装や小道具なども、レンタルすることが多いです。
こういったものの発注もADの仕事です。
スケジュール作成
ロケやスタジオでの撮影のスケジュールを作成します。
これはなかなか時間配分が難しいところでもあるので、新人のうちにいきなり任される、ということはありません。
何にどれくらいの時間を要するのか、ということが分かるようになったら、スケジュールも組めるようになると思います。
スタッフや出演者の弁当の手配
ロケ弁と言われるものですね。
人気のロケ弁などもあります。
ロケ弁の選び方や種類、数の発注の仕方などもADのセンスです。
収録メディアの管理
カメラで撮影をする時に、記録をするメモリーカードを「メディア」と言います。
カメラは一般的なユーザーが使うようなカメラもありますが、
中には業務用のカメラもあります。
業務用カメラの場合は記録メディアが異なる場合もあり、こういった管理もミスしやすいところでもあります。
関連記事:【テレビ】デジタルビデオカメラで撮影を行う時に知っておきたいこと
ロケの仕込み
それではロケの時の仕込みについて解説してみます。
許可取り
ロケの場合は道路の使用許可やお店の撮影許可などをあらかじめ取っておかないと撮影をすることができません。
そのため、許可をどこに申請したら良いのか、いつまでに申請すればいいのか、申請料はかかるのか?といったことを調べ、許可を取る必要があります。
関連記事:街ブラロケって事前許可は取っているの?
宿泊先、移動手段の手配
泊まりがけのロケの場合は宿泊先の手配をしたり、
移動が多い場合は車両のレンタルなども行わなくてはいけません。
関連記事:【テレビ業界】初めて屋外ロケに行く時に知っておきたいこと
スタジオの仕込み
スタジオでの収録の場合も仕込みは必要です。
観客の手配
観覧席を設ける場合は、観客の手配をしたり、
収録前に「こういうシーンがあったら拍手してください」などの説明を行います。
消防署への申請
スタジオで火を使うシーンがあったり、スタジオ外の待機室でタバコを吸ったりする場合は、消防署に申請をする必要があります。
食事を扱う場合
番組内で出演者に食事を提供する場合は、フーディーと呼ばれる料理担当者を手配する必要があります。
見栄えなどを重視するようなものの場合はフードコーディネーターなども依頼することがあります。
自分で考えて行動する、ということが大切
番組によっても異なりますが、一般的に必要な仕込みについて解説してみました。
最初のうちはわからないことだらけだと思いますので、指示を受けるだけだと思いますが、
慣れて来たら指示を受けるだけでなく、自分で考えてプラスアルファの仕事ができるようになるのが理想です。
ADに求められるものは何か、ということを常に考えて行動できると良いですね。