テレビCM料金の仕組みはよくわからないという人が多いと思います。それはなぜでしょうか。
私たちは「CMの広告代理店」ですが、私たちの立場から考えても、
ちょっとわかりにくいと感じることがあります。
外部の方たちからは余計に仕組みのわかりにくさを感じるのではないでしょうか。
ではテレビCMの料金の仕組みは一体どうなっているのでしょう。
今回は詳細にご説明していこうと思います。
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CMの種類はスポットCMとタイムCMがある
CMの種類は大きく分けて
- スポットCM
- タイムCM
この二つに分かれます。
簡単に言うと「スポットCM」は
- 予算も自由
- 期間も自由
- 時間帯も自由
というCMです。
スポットCMについて詳しくはこちら:テレビのスポットcmを打つ意味
これに対して「タイムCM」というのは、
- 決まった番組の中で流れるCM
- 期間は通常6ヶ月(番組によりこれより短いものもあります)
といった制約のあるテレビCMです。
「この番組は○○の提供です」というアナウンスを聞いたことがあると思いますがそれが「タイムCM」とよばれるCMです。
詳しくは番組のスポンサー【タイムCM】とはをご覧になってみてください。
各テレビ局には(テレビ局の規模にもよりますが)営業の中に「スポット担当」と「タイム担当」がいてそれぞれ分かれて営業をしています。(分かれていない局もあります)
はじめてCMをやる場合は通常、スポットCMの方でしょう。
スポットCMの予算金額が自由に決められるのに対し、タイムCMは期間も長く、それなりに高いものが多く、若干ハードルが高いのも確かです。
スポットCMの場合:「100万円なら何本鹿児島で何本流せますか?」
→つまり、予算は自分で決められる
タイムCMの場合:「タイム枠はいくらになりますか?」
→タイム枠はある程度高く金額が決まっているので、予算に収まらない可能性がある
という聞き方の違いが出てくるのです。
ただ、「どうしてもこの番組でテレビCMを流したい」という強い気持ちがあるのならもちろん初めてでもタイムCMも良いと思います。
テレビCMの料金はタイムCMの方が高くなってしまう傾向がありますが、
「ガイアの夜明けのタイムスポンサーになりたい」とか「情熱大陸のタイムスポンサーになりたい」というクライアントもいらっしゃいますからね。
関連記事:ゴールデンタイムのCMを地方局でやってみるという選択肢
スポットCMの料金の仕組み
パーコストか掛け率か
ではテレビCMの料金の中でも、「スポットCMの料金」はどうなっているのでしょうか。
これについてはCMの費用はパーコストで決まるでも書きました。
現在の主流はこの「パーコスト計算方式」になってきていて、弊社ライズアドバートでも基本的にこのやり方にしています。
しかしながら実は掛け率という計算方法もあり、かつてはこちらが主流でした。
掛け率というのは、簡単に言うと「CM1本あたり○○円」という計算方法です。
そのため、こちらの方がおそらく誰でもわかりやすく感じますよね。
掛け率の料金の考え方について詳しくはこちら:CMのタイムランクと掛け率
なぜ最近はパーコストの考え方CM料金の考え方の主流になってきたかというと、視聴率が大きく関係しています。
現在は1分単位で視聴率が取れるようになってきました。
掛け率が「大まかなコスト設定」であるのに対し、パーコストはより「細分化した計算方式」になったと言えます。
ただ、どちらがいいかというとそれは一概に言えません。
なぜなら、いくら細かく視聴率を取ったとしてもそれはあくまで過去のデータです。
それを元に計算しても「これから流れる番組」が「同じ視聴率」を取る保証はありません。
また掛け率方式はざっくりした値段設定ではありますが、
「掛け率をどれだけ安くしてくれるか」はその時それぞれですから、一概にどちらが安いとは本当のところは言えないのです。
視聴率とCMの関係について詳しくはこちら:視聴率とcmの関係性
計算方法の種類
ではパーコストと掛け率、どちらの計算方法をテレビCMの料金計算に使えばいいのでしょうか。
大きく分けて3つのパターンがあります。
- パーコスト方式のみ
- 掛け率方式のみ
- パーコストと掛け率、どちらも可
このうち、パーコスト方式のテレビ局は東京のキー局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジ、テレビ東京)などがそうです。
キー局は基本的にパーコスト方式でやっています。
2番目の掛け率方式のテレビ局は主に独立U局や地方局の一部。
独立U局について詳しくはこちら:独立U局と民放系列局の違い
そして3番目のどちらか選択式に出来るのは主に地方局です。
掛け率方式でしか料金計算ができないテレビ局もあります。
それは視聴率がわからないからです。
視聴率計算方法についてはこちら:変わるべきテレビ視聴率の計測方法
というのも大きなテレビ局は1分単位で視聴率を細かくとっていますが、地方局や、独立U局、BS放送などはそこまで細かくとっていません。
中には機械での視聴率は全く取っておらず、アンケート形式でとっているテレビ局もあります。
そういうテレビ局はパーコスト計算の元になる視聴率データがそもそもなかったり、あっても時々しか取っていないので、古いデータになってしまいます。
そのため掛け率方式で計算するのです。
地方局についての関連記事:【cm戦略】新商品のcmを地方局からやる
計算方法の選び方
では「パーコスト計算」と「掛け率計算」とどちらでも可能な場合はテレビCMの料金はどちらで計算したらいいのでしょうか?
これについては、実はどちらでもいいのです。
というか、テレビ局によっては「CM料金をパーコストで計算しますか、単価にしますか」(単価というのは掛け率計算方法のことです)などと最初に聞かれます。
お客様によってはパーコストなんかわかりにくいから、CM1本いくらで言ってほしい、とおっしゃる方もいます。
こちらの方がテレビCMの料金を把握する時にはわかりやすいのかもしれませんね。
そんな時は掛け率でお願いした方がいいでしょう。
関連記事:CMは一本いくらで作れるのか
ちなみに弊社(ライズアドバート)ではパーコスト、掛け率のどちらでもいい場合は基本的により明確に計算出来るパーコスト方式でテレビCM料金を計算することをお勧めしています。
ただ、このように計算方法が一つではないことは、料金がわかりにくい理由の一つであるとは思っています。
需要と供給のバランスで揺れ動く料金
さて、CM料金の計算方法にも種類があると言いましたが、さらにこの料金は時期で揺れ動いていくのです。
これは需要と供給のバランスとも言えるのですが、CMを出したい企業が少ない時は、料金は下がり、逆にCMを出したい企業がたくさんある時は金額は上がっていきます。
テレビ局によりますが同じ時期にテレビCMを流す場合もお願いする時期が早いか遅いかで変わってきたり、希望するだけのCMが打てなくなったりします。
基本的には早めにCMをお願いした方がいいのですが、ギリギリになっても枠が余って困るような時は逆にギリギリになってCMの枠が安くなる場合も中にはあるのです。
これは飛行機のチケットや、旅行代金の仕組みによく似ていて、これらもやはり需要と供給で料金が変動していくんですよね。
早めに予約すると、安く買うことが出来るけど、ギリギリになって買おうとすると、同じものでも以前より値段が上がっているという現象、経験したことがある人もあるのではないでしょうか。
逆に直前大安売り、と称して、空いているホテルの部屋が直前に安く取れた、なんていうこともありますよね。
ホテルとしても空けておくよりは安くてもいいから誰かに泊まってほしい、というところでしょう。
つまり需要より供給の方が多くなっているわけです。
また、年末年始は旅行代金や、ホテル代、飛行機代が跳ね上がったりしますね。あれは需要が多い時期は高くても売れるからです。
テレビの仕組みはこれと似ています。
テレビCMを出したい人が多い時、つまり需要が多い時はCMの値段が上がります。
特にギリギリになる程出せる枠もなくなるので上がるのです。
逆にCMを出したい人がいない時期、つまり需要が少ない時は、安い値段でCMを出せることもあるのです。
大抵ぎりぎりになっても枠がうまらない時は、無理がきくクライアントさんや、おつきあいの長いクライアントさんにお願いして、安く枠を買ってもらう、というところではないでしょうか。
揺れ動く料金体系は、パーコスト計算であっても掛け率計算であっても同様です。
パーコストが高くなったり安くなったり、また掛け率が高くなったり、低くなったり、時期によりCM料金は揺れ動くわけです。
関連記事:テレビCMの費用対効果は高い?低い?
なるべくCM料金を安くするには
ではCM料金をなるべく安く抑えるにはどうしたらいいかというと、やはりある程度の時間の余裕を持った方がいいと思います。
ギリギリでお願いすると混雑してCM料金が高くなる可能性がありますし、思ったような量のテレビCMを打てなくなる場合があります…
また、できることなら、混むとわかっている時期をなるべく外すことでしょう。
とはいえ、各テレビ局では、毎年傾向をつかんでいるので、コストについてはだいたい決めていると思います。
毎年3月は予算を使い切るためにCM枠は混雑しますからCM料金も高くなります。
また、オリンピックやサッカー、野球など特別なスポーツがある時なども混むので高くなります。
3月は、新年度に向け不動産や、転職、新生活用品などCMを流したい企業が多くなるのは仕方ないと思うのですが。
関連記事:テレビCMの価格はどうやって決まるのか
タイムCMの料金の仕組み
タイムCMの料金の仕組みは比較的単純です。
ワンクールというのがテレビ放送の一区切りで、通常は3ヶ月です。
週1回の放送だと基本13回の放送になりますね。
テレビ局にもよりますが、通常毎年大きく2度(4月と10月)改編(番組の構成を決める)をするため
番組スポンサー型のタイムCMは基本2クール(6ヶ月)の契約になっています。
ただ、番組によっては1クールで終わるものや、週に一回ではなく毎日やっているものなど様々なので、CMをやる期間はいろいろです。
料金の仕組みは一応決まっているので、スポットCMほどの変動はありませんが、
これについても必ず全ての枠が売れるとは限らないので、なかなか売れない枠は値段を下げたり、2クールを1クールずつに切り売りしたりしているようです。
また人気枠については、早くからCM枠の買い手がついていて、新規ではなかなか入れないということもあります。
関連記事:企業がCMをする前に決めておくべきこと
まとめ
テレビCMの料金はこのようにわかりにくいといってもいいでしょう。
常日頃感じるのは私たちは会社と会社(テレビ局も含め)、のおつきあいではありますが、実際に動いているのは人です。
無理を言ってギリギリにCMを出させてもらったり、そのかわり、安い枠を紹介してもらったり、などは日頃の付き合い方も大事だと思います。
お互いに持ちつ持たれつ良い関係性を構築していくことも大事ではないでしょうか。
弊社ではテレビCMの料金を知りたい・テレビCMに興味があるという方向けに無料お見積もり相談も承らせていただいておりますので、
下記フォーム、または電話になてお気軽にご相談下さい。
関連記事:クラウドファンディングに学ぶ上手な宣伝のやり方と、それをテレビCMに活かす方法
